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越智資行 有機農家
私の農業経営の原点に、たくさんの人と自然のこと、将来のことを考えて取り組みたいという願いがあります。生産者と消費者という隔たりなく、共に生きていくために必要な農業を、みんなが一緒になって切り拓いていける関係を築いていきたいと思っています。

私の農業経営

子どもたちといっしょに農作業
子どもたちといっしょに農作業
私の利き腕の右手は、いつも夢を握っています。左手にはソロバンです。理想だけで生きていけません。一般的に有機農業は、手間ひまがかかり経営的には難しいと言われます。現実的に、市場には1%にも満たない有機農産物しかありません。でも、本当に良いものを育てたいという生産者、食べたいと願う消費者はたくさんいます。

今必要なのは、まず私が循環型農業をできる限り取り組み、それをお客さまに理解していただくことだと考えました。自然の循環の中、私も本当に良いものが食べたい。もちろんお客さまも同じです。いろいろと考えました。考えるうちに、真ん中が見えてきました。

その答えは、一番安心できる食べ物の生産場所、家庭菜園です。お客さまの家庭菜園の分も、私の農園でお世話すればいいのです。

ちょっと大きな家庭菜園

平飼いの鶏にハクサイの外葉をやる
平飼いの鶏にハクサイの外葉をやる
私とお客さまの家庭菜園は、約7反(7000平方メートル)です、そして鶏が60羽います。毎年、四季折々の恵みをたくさん与えてくれます。その自然の恵みを、ムダにはしないために様々なものを循環させています。

柑橘畑の剪定枝は、チョッパー機で木クズにして鶏舎にバラまきます。木クズで鶏舎が厚さ10cmくらいのジュータンになります。1年もするとそのジュータンが鶏糞と混ざり堆肥になります。その堆肥を再び、柑橘畑に施肥しています。収穫を終えた夏野菜の株も同様堆肥にします。

ハクサイやキャベツなどの外葉や野菜クズ、商品にならなかった野菜たちは、鶏のエサになります。また、田んぼのワラやモミガラは、野菜栽培の資材になります。私の畑で育ったものは、何一つムダなものがなく循環しています。

EM利用のきっかけ

収穫残渣をEM活性液で処理すると糸状菌もはって立派な堆肥になる
収穫残渣をEM活性液で処理すると糸状菌もはって立派な堆肥になる
現在は、あらゆるところでEMを利用しています。でも、使い始めは半信半疑でした。就農当時、夏野菜の硬くて木のような株を野積みして、堆肥にしようと透明ビニールで覆っていました。ところが、なかなか分解せずに半年経っても、ほとんど同じ状態でした。

ちょうどその頃、EMのことを知り、試しにEM活性液の50倍希釈液をかけてみました。畑の隅で野積みしていたので、その存在すら忘れそうになっていました。しばらくして、「あれっ、野積みの山がない」と気づきました。近よってみると、以前は山になっていたものの量が1/3くらいになっていたのです。関西弁で「ほんまかいな!」の言葉がピッタリの驚きでした。ビニールをとると、山林の腐葉土のような香りが広がりました。“これはいいぞ!”と実感しました。

それからは、何にでもEM活性液を使うようになりました。野菜たちの水やりに1000倍希釈液、植え付け畝の肥料と土をなじます目的には100倍希釈液、鶏舎の木クズ堆肥づくりと鶏舎のニオイ消しには原液、また、収穫した出荷野菜の水洗いにも使いました。肥料もEMボカシ有機肥料にすべて切り替えました。

EMをフル活用することで、お客さまと私の循環型家庭菜園を始めることができたのです。

掲載日:2008年4月28日
越智資行 プロフィール

おち・もとゆき
1967年大阪市生まれ。31歳までは大阪の電力会社に勤務。 1992年休職し、青年海外協力隊に参加。先進国の利益のために自然環境が悪化している途上国の生活を知る。1995年復職。余暇で自然環境の専門学校に通い、1997年卒業。ある時から"農業にこそ真の 豊かさを伝える原点がある"と考えるようになり、脱サラして就農することを決意。1998年父親の出身地である瀬戸内海の大三島に家族で移住し就農。現在、約70aで野菜や果樹、稲作栽培、養鶏などで産直販売をしている。また地元生産者らと有機野菜グループ「家庭菜園」を結成し共同出荷を開始。その他、NPO「大三島愛らんど自然倶楽部」や「大三島自然探検隊」なども立ち上げ、EM活用も含めた多彩な環境保全活動を展開。家族は両親と奥様、そして元気な3人の息子さん。


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