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朝日新聞の見当違いのEM報道

海の日が近づくと、その前に朝日新聞は、EMたたきをする習性を持つ新聞社のようである。昨年も、EMダンゴは河川や海を汚すという、四日市大学の環境関係教授の、検証なき単なる思いつきの談話と、EM活性液のBODが高いので、それを河川に投入すると水質が悪化するという、福島県環境部の、現場の検証を無視したヘリクツを、あたかも正論であるかのように取り上げ、海の日のEMダンゴやEM活性液の投入に疑問を呈していました。

この件については、昨年の8月に談話を発表した当事者にEMを投入した現場を検証しなかったという確認を取り、朝日新聞の関係者に抗議し、その後に行われた「善循環の輪の集い三重in四日市」に参加し、現状を確認すべきであると伝えました。朝日側は直接担当した者は行けないが、関係者を行かせるとのことでしたが、何の反応もありませんでした。

今年はなんと「『水質浄化』EM菌効果 検証せぬまま授業 青森」と7月3日の新聞と朝日新聞デジタルでたたき「非科学的だ」「水質浄化の効果についても否定する報告が多い」とし、EMは非科学的と批判する大阪大学の菊池誠氏のコメントが付けられています。

何の因果か、この記事がヤフー!ジャパンのトップニュースになったのです。EMの知名度がここまで上がってきたかと感心する一方で、まったく、はた迷惑な話ですが、またまた、ていねいに7月11日青森の地方版で「科学的効果疑問のEM菌 3町が町民に奨励」としてたたいています。


熊本日日新聞7月5日朝刊 「第105回緑のリボン賞 7団体・3個人に」より
皮肉なことに、7月3日の「水質効果について否定する報告が多い」と報じた2日後の7月5日、熊本日日新聞は、EMで河川を浄化し、ホタルやアユを復活させた熊本市西区河内町の「せせらぎ会」の活動に「緑のリボン賞」を与えているのです。この賞は社会奉仕や環境美化などの活動に長年取り組んでいる人々をたたえるもので、団体の場合は活動歴が20年以上が目安となっています。受賞理由と主力メンバーの写真入りを紹介しますが、この記事は朝日の7月3日の疑問に明確に答えるものです。朝日に使われたEMを否定する報告は、EMの性質や活用法を十分に理解していない担当が行ったり、EMの成果を十分に評価し得なかった担当者がまとめた結果であり、否定的な報告は、その他、数件程度に限られており、これまでのEMの成果報告からすれば、誤差の範囲よりも少ないと言えるものです。

まず、岡山県と広島県の例は、浄化槽や水槽にEMを投入して眺めていただけです。EMの水質浄化法は、効果が認められない場合は、追加投入し、EMの密度を高め、効果が出るまで投入を続けるということが基本であり、そのため、米のとぎ汁や米ヌカや糖蜜など、安価な資材や廃棄物などで簡単に誰でも増やせる方法を公開し、多くのボランティアが協力していますので、現場での失敗例は皆無です。

現在の岡山県は、全県の50%以上の小中学校がプール掃除などにEMを活用しており、経済連の畜産部は、長年にわたって悩みの種となっていた家畜の飲料水の浄化をEMで行っており、積極的にEMの活用に取り組んでいます。広島県も、県がEMは効果なしと発表して以来、マスコミ各社は、福島県同様に報道を控えていましたが、現場の実績があまりにも顕著なため、また隣県の岡山県のEM活動が盛んになったため、中国放送や中国新聞はEMのことを積極的に報道するようになりました。

三重県の報告は、最も重要な生物調査を行っておりません。この実験は、私も立ち会いましたが、明らかにヘドロが減少し、海草の種類や量も増え、生態系が多様化し、豊かになったことはまったく触れておらず、この件も県議会で問題となっています。

三重県では、4か所のゴルフ場が完全にEM管理となっており、その下流はホタルの名所に変わったところもあります。かつて、悪臭を発し、どぶ川であった四日市市の阿瀬知川は、今では清流となり、たくさんのアユも登ってくるようになり、四日市市は環境のみならず農業にもEMの活用を積極的に支援しています。

四日市市に限らず、三重県は、すべての市町村でEMが使われており、海の藻場の再生にも多大な効果を上げ始めており、今やEMの先進県的存在となっています。朝日の記者は、そのような現在の事実を確認することなく、かつて誤った方法でEMを使い、成果が上がらなかった旧聞を「否定する報告が多い」としたねつ造記事となっています。

地元の青森県も三重県に劣らず、EMの活用は極めて盛んであり、十和田漁協のEMによる十和田湖の浄化やヒメマスの復活は、15年あまりの実績として、全国のモデルともなっています。さらには、十和田食肉センターで家畜解体の汚水と悪臭対策に、EMは15年以上も前から使われており、奥入瀬川の浄化にも多大な効果を発揮し続けています。八戸市で大腸菌が基準値を超え遊泳禁止となっていた樺島の海水浴場を復活したのもEMによるものです。青森県は、畜産県として知られていますが、下北や上北では、多数の畜産農家がEMを使い、畜産公害対策に画期的な成果を上げています。その他、青森県には、多数の河川浄化実施例があり、何らの問題も起こってなく、誰がやってもEMの密度さえ高めれば、必ず成功する方法に対し、それを調べもせず、「『水質浄化』EM菌効果 検証をせぬまま授業」とか「非科学的だ」とEMをたたいています。

7月11日の紙面では、農業面でEMたたきをしています。また、ごていねいに96年にEMつぶしに全力を挙げていたMOAグループから500万円を受け取って、EMたたきをした元日本土壌肥料学会の会長であった茅野充男氏の談話を載せています。青森県には、弘前EM総合ネットのように、100ha内外のEMリンゴがあり、市場でもEMブランドとして東京と大阪でトップブランドとして流通しています。その選果場の名前はEMアップルメッセです。このEMアップルメッセは農水省から数億の助成金が出て完成したものです。板柳町のリンゴに対する試験は、すでに実績のある弘前EM総合ネットの成果を独自に検証したものであり、効果が未知の新しい資材の試験を行ったのではありません。従って、東京農大の後藤氏のコメントは見当違いのものです。

この結果を受けて、板柳町が自信を持ってEMを普及することは当然のことですが、ここでもまた、はるか過去に、社会的常識の欠如した土壌肥料学会が行ったジャッジを天の声なみに取り上げ、さらには、すでに過去の遺物となった東京農大の後藤氏の1999年の報告を引用しているのです。

水質浄化と同じように、農業においても、土壌中のEMがある一定以上の密度になれば、誰がやっても効果が出るもので、効果が出るまで使い続けることが原則です。後藤氏の実験やEMの効果が確認できなかった試験場などなどは、その原則に従わず、EMが生命体であり、増えて初めて、効果が出るというEM活用の大前提を無視しています。これらの結果は、効果が出るまで使っていなかったというレベルのものというのが当方のコメントです。

ここで問題なのは、EMの効果について、本当に公的機関による科学的、学術的検証が必要かということです。日本土壌肥料学会はEMの効果を発表した論文を集め、学術的に十分でないと判定しました。1996年のことです。2012年、EMの論文や報告書は全世界で3000余りとも言われ、学会が重視する査読論文も多数あり、EMで博士や修士の学位を取った人も多数おり、その実績は様変わりしています。反EMの方々は、ご自身でこの論文を調べ、それでも非科学的とか検証されていないということであれば、いつでも公開討論に応じます。12月には青森でEMのシンポジウムまたはフォーラムが行われる予定です。日時が決まりましたら、朝日新聞青森総局に案内を出しますので、反EMの皆様が大挙して来てくれることを期待しています。

EMを批判する人は「科学的に検証されていない」ことを強調しますが、EMを構成する微生物の種類は明確であり、世界中いたるところ、EMが普及している国では、その安全性が確認され、米国やドイツでは飲用としても許可され、当然のことながら日本のような問題は1件もありません。

微生物資材で科学的検証の必要なものは「まったく未知の微生物」か「遺伝子組み換えをした微生物」に限られており、法的な義務づけがあります。EMは、そのいずれにも該当せず、科学的検証はまったく必要なく、各試験研究機関もEM研究機構の同意なしには、勝手に試験をして、その効果を判定する権限もありません。

もしも、このような試験を行うとすれば、双方の合意書が必要ですが、このような手続きは過去に1件もありません。EMは、個々の種類については、誰でも培養して使っていい公知の微生物であり、責任はすべて、効果ありとして製造し販売した企業にあり、製造物責任法に従うものです。EMを購入し使ったが効果がないという場合は、使用者は、メーカーに責任を問えばよく、メーカーは、おのおの常識的に対応しており、社会的問題として公が入る余地はまったくありません。

EMを使ったら、環境を汚染し大量に魚が死んだとか、作物が大々的に枯れたとか、さらには健康を著しく害した人が続出したならともかく、社会的に何ら問題を起こしていない市井の製品を学会がジャッジする権限はなく、極めて無知で非常識なことです。日本土壌肥料学会は、過去に、このような社会的に無知で非常識なことを積極的に行った学会なのです。そのいいがかりが「科学的に検証されていない」ということです。朝日の記者も、その根拠のない言いがかりを、天の声のように考え、すでに化石化した報告をもとにEMをたたいているのです。EMのボランティア団体は1400余、50万人余の人々が行政が解決できなかった、さまざまな環境問題を解決しているばかりでなく、自然農法をはじめ衛生対策、その他、さまざまな災害対策に役立っており、地域活性化の大きな力となっています。朝日新聞がこれまでEMを称賛してきた多数の記事から一転してEMたたきを続けるならば、新聞の使命である社会の正義を守るという基本義務に反するものと判断し、当方も徹底的な対抗手段を講ずることにします。

(2012年8月3日)
PROFILE
ひが・てるお/1941年沖縄県生まれ。EMの開発者。琉球大学名誉教授。国際EM技術センター長。アジア・太平洋自然農業ネットワーク会長、(公財)自然農法国際研究開発センター評議員、(公財)日本花の会評議員、NPO法人地球環境・共生ネットワーク理事長、農水省・国土交通省提唱「全国花のまちづくりコンクール」審査委員長(平成3年〜平成28年)。著書に「新・地球を救う大変革」「地球を救う大変革①②③」「甦る未来」(サンマーク出版)、「EM医学革命」「新世紀EM環境革命」(綜合ユニコム)、「微生物の農業利用と環境保全」(農文協)、「愛と微生物のすべて」(ヒカルランド)、「シントロピーの法則」(地球環境共生ネットワーク)など。2019年8月に最新刊「日本の真髄」(文芸アカデミー)を上梓。2022年(令和4年)春の勲章・褒章において、瑞宝中綬章を受章した。


 

 

 

今年の海の日、名古屋市の堀川にEMダンゴを投入するボランティアの皆さん

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

多くの学校でプール清掃にEMが使われている

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

逗子海岸でEMダンゴを載せて浅瀬の海に入る海岸クラブの皆さん

 

 

 

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