連載
※ 前方の山々は自宅付近から見る那須連山

第4回 〜春になったら土づくり〜

最近、家庭菜園や農業をやってみたいという方が多くなりました。私の農園にも4月9日に東京からお父さんと娘さんが農業体験を希望して訪ねて来ました。
実はこのお父さん、私の古くからの友人でラリー仲間でもあったことから再会を楽しみにしていました。しかも彼は農薬メーカーの研究者で農薬のスペシャリスト。今までも安全性の高い農薬の開発話を聞くたびに、ルールを守れば農薬を使う農業も間違いではないと思っていました。
しかし私はEMに出会い無農薬栽培をしています。彼は私の農法とは真逆の手法の研究者ということもあって、私にとって彼との話はいろいろな意味でとても参考になるのです。
ところが娘さんの影響が大きいようで、定年退職後は郊外に移住して有機農業に挑戦したいというのです。都心で働く娘さんですが、お父さんの退職を機に家族で有機農法による農業に挑戦する意気込みなのです。
本来なら私の農園では体験の受け入れはしていないのですが、今回は特別に農園作業の写真モデルとしてトマトの土づくりを手伝っていただきました。
今後、父娘さんにはトマトやナス、キュウリなどの生育状態を報告し、夏には実際に食べてもらい、EMの素晴らしさを実感してもらうのが楽しみでもあります。

野菜作りで重要なのは土づくりです。
私の農園も春になったらまずは土づくりから始めますが、「Part.1 第12回 EM柴田農園直伝 〜片づけは来年の大切な準備」で説明したように、下準備は昨年から始まっていました。
この写真は、2021年12月の様子です。

昨年(2021年)12月の状況

左側のハウス(今はすでにビニールを剥がしてしまいましたが)は、昨年トマトを栽培していたハウスで、右側はウリ科(カボチャ、ゴーヤ、ヘチマ)を栽培していたハウスです。今年はこの右側のハウスでトマトを植えるため、昨年すべての収穫を終えてから雑草を敷き詰めるなどの準備を済ませ、その後、有機石灰の「カキ殻」を100uのハウスに1袋入れて冬を越しました。



トマト栽培の土づくり実践!

ここからお二人と共に春の土づくりスタートです。
まずは肥料を振ります、と言って私が取り出したのは「塩」です。
「畑に塩を撒くのか・・」と二人は驚いていましたが、塩は除草や殺菌作用もあり、そのあとEM活性液を散布することにより塩が肥料になるんですよ・・と説明しました。これもEM栽培の大きな特徴です。





つづいてEMボカシです。
「漬物みたい!」「いいにおい!」と、EMボカシも触れるのは初めての様子のお二人。
「手がすべすべになるから素手で撒いてね」とお願いしました。
その後、お昼の時に手を洗ったら「本当に手がすべすべだ!」と感激していました。

この具体的な施用量は、100uのハウスに塩を30s、EMボカシを10sです。





この後、散布用のEM活性液をつくります。
軽トラックにすでに設置してある500リットルのタンクにEM活性液(2次培養)とニガリ(4リットル)を入れます。
私の場合、ニガリは苦土石灰の代用として、カキ殻石灰と併用します。
通常の散布用は50倍ですが、今回は土づくりなので10倍の希釈で800リットル散布します。


二次培養したEM活性液を取り出します


500リットルのタンクにEM活性液を入れる


ニガリを加える

軽トラックに乗せた500リットルのタンクからエンジンポンプで散布します。
EM活性液を散布すると爽やかな気持ちになります。お二人もそう感じたのでしょうか、終始楽しそうに散布してくれていました。




活性液散布


最後に乾燥防止と雑草対策のために除草シートを敷きます。
農業用黒マルチは使い捨てになので、私は繰り返し使える除草シートを使っています。
除草シートを敷く作業では、父娘で息の合った共同作業になりました。





除草シートを敷き終わったら、シートが風で飛ばされないようにところどころに石を置いて終了です。
この後は7日〜10日に1度、EM活性液散布するだけです。
これで5月中旬の定植までEMさんがしっかり土づくりをしてくれるので、耕す必要がないのです。



露地での土づくり

露地で土づくりに必要なのは雑草とEMボカシだけです。
塩は1袋25s1500円と購入コストがかかるので、使用はハウスのみで露地では使っていません。管理はハウス内のトマトの土づくりと同じです。
春先はまだ雑草も少ないので、雑草が生えるのが待ち遠しいです。

初めて農業体験をした友人の父娘さんですが、EMボカシやEM活性液散布にも積極的に取り組んでいてEMに関心を持ったようです。
私の農園では雑草、塩、EMボカシ、そして繰り返しEM活性液を散布するだけで土づくりをしています。
これまでも様々な有機農法を見学しましたが、無農薬栽培では難しいと言われるトマト栽培にEMの活用は最も有効だと感じています。
良質のEM活性液をつくり、繰り返し撒くこと!
そうすれば誰でも素晴らしい野菜づくりができます!
それには、EMを培養するというひと手間が必要ですが。






(2022年4月30日)



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<PROFILE>
50歳まで神奈川県で共働きをし、残業続きの忙しい日々を送っていた。定年退職まで共働きをしていればお金は貯まるし、何でも買える。 しかし健康は買えない。健康でいられたらお金は要らない。そういう思いから和明さんの父親の故郷、栃木県那須塩原市に移住して夫婦で農業を始める。健康維持のためEM生活実践中!

柴田和明(しばたかずあき)
会社退職後、約2年間栃木県農業大学校で農業を学び、その後トマト農家で1年間研修を受け就農。

柴田知子(しばたともこ)
会社退職後、東京農業大学(世田谷区)オープンキャンパスのカレッジ講座で野菜や果樹の育て方、スローフード、発酵などの講座を受講。EM柴田農園では、種まきから仮植、種取りなどの細やかな作業を担当。

Facebook:http://www.facebook.com/kazuaki.shibata.98
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