連載
※ 前方の山々は自宅付近から見る那須連山

第8回 EM柴田農園直伝
〜野菜をきれいに育てて、長期にわたり収穫するには〜

太陽の陽をたっぷりと浴びた夏野菜は家庭菜園でも大人気ですね。 今回は柴田農園の夏野菜を紹介します。

私の農園での野菜づくりは、「綺麗な野菜を長く穫る!」です。ピカピカの野菜をお渡しするときに「無農薬ですよ」とあえて言いたくなるぐらいです。土づくりを徹底して、EMを使えば皆さんも虫食い無しの野菜が家庭菜園でも出来ますよ。

「虫食い野菜は無農薬の証」なんて言う方がいますが、それは間違い。菌ちゃん先生でお馴染みの吉田俊道さんは「美味しくて元気な野菜には虫は付かない」と話をしています。
<参考:吉田俊道さんの生ごみマジック,元気野菜づくりと元気人間づくり/ 第6回 おなかを手で回そう 具体的食生活その5>

有機肥料と無農薬で育てた夏野菜はみずみずしく、生で食べても美味しいです。
ドレッシングなどで味付けをしないで、野菜本来の味を楽しんで欲しいと思います。家庭菜園だったら、畑でそのままガブリと行きたいところですね。


「ナス・ピーマン」

ナスとピーマンもトマト同様仕立てを考えれば長期間収穫することが出来ます。ご覧のように、私は支柱を使って枝を1本ずつ誘引していきます。トマトと同じように、収穫したらその下の葉を取り、風通しを良くします。そして、できるだけ全体に陽が当たるようにします。ナスは葉や枝に触れると皮の面にキズができやすい野菜ですから間隔を取ることでキレイに育ちます。

追肥も2週間に1度の割合でEMボカシを畝間にパラパラと撒きます。

ナス科は同じ2本の畝に。2種類のナスと奥にピーマンを植えています

ナス科は同じ2本の畝に。2種類のナスと奥にピーマンを植えています ナス科は同じ2本の畝に。2種類のナスと奥にピーマンを植えています
ナス科は同じ2本の畝に。2種類のナスと奥にピーマンを植えています


「キュウリ」

キュウリの仕立て方もいろいろな方法がありますが、私は1本ずつ支柱に誘引して、2mぐらいまで延びたら、摘芯します。また、欲張らず子づる、孫づるなどをあまり伸ばさないで小まめに摘み取ることも必要です。

手前のキュウリはまもなく収穫を迎えます。見づらいですが、左後方のキュウリが現在収穫しているものです
手前のキュウリはまもなく収穫を迎えます。
見づらいですが、左後方のキュウリが現在収穫しているものです


「ズッキーニ」

「面白い仕立てだね」とよく言われます。 ズッキーニ―を定植したら3本の支柱を取り付けて、縦に育てていきます。ズッキーニの実は柔らかくデリケートなので、どこにも触れないように栽培することがポイントです。ただし、小まめに誘引をしていかないと途中で折れてしまいます。





「カボチャ」

ハウスの支柱を利用して天井からぶら下がるようにして育っていくカボチャは「宙(そら)カボチャ」と名付けました。
大きな特徴は、1本の株に育てる実は1個だけです。養分を1つの実に集中させることで味が凝縮し、食味が良くなるのです。
また、通常カボチャは地這いで育てるため、地面に着いたところから悪くなり長持ちしませんが、化学肥料や農薬を使わないEM栽培の宙カボチャは年明けの春まで保存が可能です。



EM柴田農園流 野菜を上手に育てるコツ

◆ 夏野菜は黒マルチの代わりに草マルチを使おう!

EM柴田農園では使い捨ての黒マルチは出来るだけ使わないようにしています。特に夏はマルチの中は高温になり、雨も入らず植物にとって良い環境ではありません。上の写真をもう一度よ〜く見てください。黒マルチは使っていませんよね。畝には雑草を利用した草マルチがお薦めです。
第4回でも紹介しましたが、土づくりや草マルチで大量に雑草が必要なので、雑草を栽培する畑もあります。もちろんEM栽培の雑草です。


◆ 農業は気候を知って、逆算をすることが重要!

野菜を育てるにはご自分の土地の気候を知り、適期に植えられることが重要です。それには時間を逆算して準備をしなくてはなりません。
農園のある栃木県北部は5月の上旬まで霜が降ることがあるので、例えばナスの場合5月下旬に定植。その前に、4月には土づくりを開始。種まきは定植の約2か月前なので3月末に準備をしなければなりません。
キュウリやズッキーニ―などのウリ科は、種まきから定植まで約1ヶ月なのでナスとは別の日程で準備します。また、ナスやピーマンのように長く収穫できないので2回〜3回に分けて種まきや定植をします。
もちろん、市販の苗を購入すれば、もっと手軽に家庭菜園を楽しむことが出来ます。

次回はもみ殻くん炭づくりを紹介します。

(2021年8月30日)


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<PROFILE>
50歳まで神奈川県で共働きをし、残業続きの忙しい日々を送っていた。定年退職まで共働きをしていればお金は貯まるし、何でも買える。 しかし健康は買えない。健康でいられたらお金は要らない。そういう思いから和明さんの父親の故郷、栃木県那須塩原市に移住して夫婦で農業を始める。健康維持のためEM生活実践中!

柴田和明(しばたかずあき)
会社退職後、約2年間栃木県農業大学校で農業を学び、その後トマト農家で1年間研修を受け就農。

柴田知子(しばたともこ)
会社退職後、東京農業大学(世田谷区)オープンキャンパスのカレッジ講座で野菜や果樹の育て方、スローフード、発酵などの講座を受講。EM柴田農園では、種まきから仮植、種取りなどの細やかな作業を担当。

Facebook:http://www.facebook.com/kazuaki.shibata.98
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