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豚インフルエンザに対するEMの活用

メキシコを中心に豚のインフルエンザがヒト型に変わり、毒性も強くなり、大流行(パンデミック)の兆しを見せ始めています。タミフル等を含め、いろいろな対策が考えられていますが、要は免疫力を高めるような生活とウイルス密度の高い場所(多数の人々が出入りする場)へ行く場合と帰った場合のEM手洗いとうがいを徹底することです。

トリインフルエンザや豚や牛の口蹄疫(こうていえき)、魚のウイルスなどすべてのウイルスに対し強い抵抗力を身に付けることは重要です。したがってEMを水や空気と同じように使うつもりでうがいや手洗いなどを徹底して生活化すれば今回の豚インフルエンザをはじめ、トリインフルエンザの人型によるパンデミックに十分に対応することが可能ですので、いざという時の心得として重ねてEM生活をおすすめします。

EMモデルタウン推進事業

世界同時不況はすべての国々がその対応のためにあらゆる手段を講じているために最悪の状態は底を打ちつつありますが、厳しい状況が長期に続くことには変わりありません。少子高齢化と産業の成熟は従来のように経済の成長によって問題を解決することを困難化しており、東京都を除くいずれの自治体も苦境に陥っています。

EMの本質的な力は「安全で快適」「低コストで高品質」「持続可能で累積効果がある」ことです。この力を生活化したり、行政の手法の中に空気や水のごとく使うつもりで活用すれば行政コストは現在の半分以下にすることも可能であり、EMを軸に住民との協力関係を強化成熟させれば、さらにその半分、すなわち現在の25%でも住民が納得できる行政サービスが可能であると考えています。

前回紹介した福井県の旧宮崎村はその代表例とも言えるものですが、EMのレベルから見れば初級の段階であり、EMの先進地といわれる沖縄県の「うるま市」や全国の市町村でもまだ序の口にすぎません。

EMが開発されて29年、普及に入って27年になり、超スピードで日本中、または世界中に広がっているように見えますが、EMの本質を知る側からは「100年の清河を待つ」の思いです。そのためEMの普及のあり方に根本的なテコ入れをせねばならないと考えていましたが、私がEMに専念できる体制になりましたので、今年度からEMモデルタウン推進事業を本格化させることになりました。

EMモデルタウン推進事業の第1号となった北海道の三笠市

北海道の三笠市は札幌の北へ1時間、夕張市に近い炭坑で栄えた町です。高齢化が進み、生活保護世帯もトップクラスで、市の財政は再生団体寸前の状態です。炭坑の外にアンモナイトをはじめとする化石の山麓(さんろく)に囲まれた穏やかな気象条件のため、札幌へも良質の野菜を出荷していた実績もあります。

三笠市は市の75%の生ごみをEM抗酸化バケツで回収し、有機肥料や飼料をつくるシステムで民間と協力し、かなり効果的な成果を上げています。このシステムを通し、市民の多くはEMのことを知っており、農業現場でも着実なモデルもでき始めています。昨年の6月にこの生ごみリサイクルシステムをさらに効率化するために三笠市を訪ねました。EMの生ごみはF・Aリサイクルという民間の会社が請け負っていますが、バイオマス関係の助成金などを導入し、すばらしい施設をつくっていました。私はこの施設を見た瞬間に、EMのセンターをつくり、三笠市全市をEM化すべきと考え、市の関係者のEM研修会でEMモデルタウンに挑戦すべきであるという提案をしました。

12月には市長さんが沖縄に来られ、長時間かけてEMモデルタウン推進のための話し合いを行い、その後、市役所の担当や農業関係のリーダーも沖縄に来られ、現場視察と同時に私とも詳しい話し合いを行いました。

今年の3月28日、三笠市が私の講演会を開催し、「EM技術による健康生活と地域活性化」について市民に詳しい情報を提供し、三笠市のEMモデルタウン推進事業が実質的にスタートしました。

この事業は三笠市と私の所属する名桜大学国際EM技術研究所とEM研究機構の合意に基づくもので、各々の役割分担を明確にしています。すなわち三笠市は市のあらゆる分野にEMの活用を検討し実行する。国際EM技術研究所は常にEMの先端技術情報を提供する。EM研究機構は市が必要とするEM活性液をとりあえず3年間無償で提供し、市からの提案に対し具体的な技術指導を行う。さらには、この事業の推進のために年2回の事例報告会と検討会を行い、情報集約を徹底することになっています。

簡単にまとめると、市はEMに関する負担はまったくなく、農業や環境や健康に関し、必要な活性液をすべて無償で入手し、すべての住民や農家にも配布できるようになっています。

そのためにEM研究機構は月に40トンから100トンレベルの良質なEM活性液を提供し、あらゆる分野にEMを空気や水のごとく使える準備も完了し、フル生産体制に入っています。これからは市民を対象にEM勉強会を行うと同時に、EMのインストラクター養成講座を年2回ペースで行い、市民1人ひとりがEMのことをより深く理解し、環境や健康問題は自己責任で解決できるようにしたいと考えています。

EMを活用した無農薬、無化学肥料の農産物は、まったくの新商品として流通しますので、量販店はもとより将来は海外にも輸出できるように検討を始めています。福井県の旧宮崎村がEMで成功した時点に比べると、現在のEM技術は月とスッポンの差があり、また社会のEMのニーズが根本的に進化しています。

3年後には本計画を見直すことになっていますが、その間に市の財政は豊かになり、独自の運営が可能となる見込みですので、前回紹介した旧宮崎村をはるかに上回る成果が期待されています。

(2009年5月1日)
PROFILE
ひが・てるお/1941年沖縄県生まれ。EMの開発者。琉球大学名誉教授。国際EM技術センター長。アジア・太平洋自然農業ネットワーク会長、(公財)自然農法国際研究開発センター評議員、(公財)日本花の会評議員、NPO法人地球環境・共生ネットワーク理事長、農水省・国土交通省提唱「全国花のまちづくりコンクール」審査委員長(平成3年〜平成28年)。著書に「新・地球を救う大変革」「地球を救う大変革①②③」「甦る未来」(サンマーク出版)、「EM医学革命」「新世紀EM環境革命」(綜合ユニコム)、「微生物の農業利用と環境保全」(農文協)、「愛と微生物のすべて」(ヒカルランド)、「シントロピーの法則」(地球環境共生ネットワーク)など。2019年8月に最新刊「日本の真髄」(文芸アカデミー)を上梓。2022年(令和4年)春の勲章・褒章において、瑞宝中綬章を受章した。


 

 

 

三笠市のF・Aリサイクルセンター全景

生ごみ粉砕・乾燥処理機

生ごみからつくった有機肥料

市主催の比嘉教授講演会開催

培養タンク22基でEM活性液製造

農家へEM活性液を配布

スプリンクラーを使用し、農地にEM活性液を散布

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