連載



EnglishEM研究機構英語サイト

EMフォーラム2010

「EMの社会化からEMの生活化へ」

会場の都合で、今年は例年よりも1か月余も早く10月16、17日に開催されました。16日は「国立劇場おきなわ」で事例発表が行われ、17日は現地見学会となりました。今回のテーマは、「EMの社会化からEMの生活化へ」となりました。ご承知のように、EMは農業や環境問題の解決のために「社会化」すべきだという使命感で運動が進められ、多くの国々に広がり、我が国でも多数の自治体がEMを積極的に活用するようになりました。

「健康で長生きし、社会に役に立って、人生を締める」ことは、「幸福度の高い社会づくり」をめざす、EM運動の根幹をなすものです。今や日本の医療費は35兆円、ほぼ実質税収の37兆円に近づきつつあります。言ってみれば、生活費の大半が医療費に使われ、その不足分を借金しており、収入増の見込みのないまま、借金返済の当てのないまま、生活しているようなものです。

この延長線上では、大幅に増税するか、借金を踏み倒す以外に選択肢はないということになります。幸いなことに、日本の国債(国の借金)862兆円は、すべて国内で調達し、海外からの借金はありませんので、踏み倒しても、ギリシャなどのように他の国々に迷惑をかけるようなことにはなりません。外国から借金して、その返済に苦労している国々からすれば、実にうらやましい状況にありますが、国民1人当たりの借金が700万円を超え、800万円にならんとしているこの現実が、どのようにして生まれてきたのかを原点に立ち戻って考える必要があります。

この滅亡的な構造は、悪しき民主主義の選挙から始まっています。できもしないことをバラ色のごとく公約し、借金をして体をつくろうようになったからです。同時に住民の自発性や自己責任を放棄させ、何もかも政治や役所がやってくれるという甘えの構造をつくり、これが社会的なDNA(遺伝子)になってしまったことです。

その上、住民からのクレームの対応のために様々な規制をつくり、がんじからめにしてしまい、常識的な判断で処理すべきことも、すべて役所の許可を受けることが当たり前となっています。今でも地方により、住民がボランティアでEMによる水質浄化や環境保全活動を申し出ても、福島県のように、これを拒否する県もあります。EMはこれまでの裁判で全面勝訴しており、住民がボランティアで行う場合や自己責任で使う場合は、何ら法的な制約はありませんし、世界どこでも自由に使える微生物資材です。このようなものでも、役所によっては、責任を負いたくないために拒否するという体質をもっています。

この悪しき民主主義選挙は、同時に厳しい責任追求型の社会的風潮をつくり、国会はもとより日本中で無意味に近い論議が延々と続けられており、会社の会議から大学の教授会まで責任追求病と責任回避病にかかっており、膨大な公的予算の無駄遣いが定着しています。同時に「勉強好きの無責任」という役所の体質をさらに強固なものにしています。

組織を維持し、固定化するためには様々な規制が必要ですが、民の力で活性化し発展させるためには、規制は可能な限りゼロに近い方が効果的であることは、改めて述べるまでもありません。選挙も与野党の政策に大差がないことを考えると、ある一定以上の支持を得た人々を候補者としてくじ引きで決める方が利害関係もなく、最も民主的なものになると言えます。

日本は世界の先進国で最も規制の多い国で、規制を撤廃した韓国などに次々と後塵を拝しています。目を転じて国内法を見ると、最も規制が多く厳しいのは薬事法や医師法であり、今やニンジンを食べて病気がよくなると言っても、薬事法や医師法に問われかねない状況となっています。そのため、国民は病気や健康に関する自己責任を放棄させられた形になっています。

20世紀の末に「生活習慣病」という偉大な病気の発見のお陰で、病気の大半は生活習慣によるもので、自己責任であることが判明しています。その自己責任をはたすためには、現在の薬事法や医師法は直接命にかかわる分野を除いて、すべてフリーにする必要があります。

この論議は広げるときりがありませんが、要は我が国の膨大な借金は悪しき民主主義選挙に始まり、責任追及型の社会から規制強化社会となり、国民の自己責任放棄に根ざしたものであることを強く認識する必要があります。

この問題の解決は、EM運動の根幹である「自己責任と社会貢献認識」をベースに、EMをすべての場面で水や空気のごとく使うようになれば、病気の大半は自然に消え、同時に社会問題の大半も自然に治まるという命題的な力を持っています。このような観点から、今回のフォーラムは原点に帰って、「EMの生活化」に焦点をしぼって事例発表をしてもらいました。

「予防医学とEM生活」

まず、杉本一朗先生(医療法人照甦会理事長)には「予防医学とEM生活」と題して、基調講演をお願いしました。インフルエンザワクチンの根本的な問題、脂質栄養に関する現代医学の誤った基準、抗生物質や医薬品の異常なまでの過用の問題点や医療被曝やハイブリットカーや電気自動車や日々の電磁波被爆の実態を明らかにし、行き過ぎた医療が病気を増大させている実態を明らかにしてくれました。「予防は副作用のない究極の医学」であることを強調し、キューバの成功例を話してくれました。

キューバは、米国の経済封鎖やソ連の崩壊で化学肥料や農薬や医薬が極端に不足したため、自給自足の有機農業と予防医学制度を徹底し、医療費を先進国では考えられないレベルまで下げることに成功、平均寿命が先進国並になった国です。

要は、ストレス社会の緩和と衛生や栄養の問題を改善すれば、人間は病気にならず、天寿を全うすることが可能であり、EMを空気や水のごとく、あらゆる分野で活用することで、すべての病気が予防でき、究極の医学を実現することが可能であることをまとめてくれました。

「お子様にも安心エコ洗濯術」

その基調講演に続いて、「究極のエコ洗濯術」についてエレガンスyouの児玉進一郎さんに発表してもらいました。3Kとまで称されるクリーニング業界は、化学合成洗剤や化学薬品を使うため、衣類の化学物質による劣化や手の荒れ、蒸気とともに吸い込む様々な汚染、同時に排出される汚水による環境汚染、仕上がり後の健康に及ぼす問題等々、解決すべき問題は山積しています。

これらの問題を、良質のEM活性液とEMセラミックスおよびEMシャボン玉石けんですべて解決し、働いている間に健康になる職場、排水が水環境を浄化し、衣類の変質防止と健康に積極的にプラスになる「究極のクリーニング」を実現しています。また、多くの来客に対し、EM活性液を安価で提供し、家庭でのエコ洗濯術やEMの多目的活用や家庭菜園での活用を伝授しています。

「天然素材によるリラクゼーション」

その次に、EMスパコラソン沖縄の護得久朝寿さんに、美容(リフレ)でのEM活用事例として「天然素材によるリラクゼーション」について発表してもらいました。自然塩を含め多くのリフレ素材は、使いすぎると手や膚が荒れたり、浸透力の問題や施術者の疲労、室内の空気や静電気、電磁波等々の問題があります。当然のことながら、人間は精密な高出力発電機でもあり、そのエネルギー代謝から発生するフリーラジカルは、老化はもとより、様々な病気の引き金であり、美容の大敵でもあります。

そこで、室内の浄化はもとより、まくら、ベッド、マットをはじめ施術のあらゆる分野で、各種の素材とEMXゴールドやスペースメイト(EMプレート)、EM活性液を併用することによって、これまで得られなかった成果を確認し、家庭でも活用できる方法についても教えてもらいました。同時に施術者自身も健康になるという、前出の児玉さんと同じ結論に達しています。

「ペットと暮らす快適空間」

その次は、ペットへの活用事例として、トーラス株式会社の赤津功一さんに「ペットと暮らす快適空間」について発表してもらいました。ペットの数は今や子どもの数を上まわる勢いで増えていますが、その最大の難点は悪臭等を含む衛生問題とペットの健康問題です。赤津さんはEM技術で、この問題を根本から解決し、関連する各種商品を開発しています。

ペットには、いやし効果やストレス解消効果など、様々な感性教育効果があり、人間と動物の共生教育など、多くの社会問題を潜在的に予防する効果があります。当然のことながら、ペットにEMを使うようになれば、その飼い主もEM生活を意識せざるを得なくなり、多種多様な余得が生まれることになります。

「今日からはじめる活き活き家庭菜園」

その次に、(財)自然農法国際研究開発センター・中部普及所長の織田安雄さんに「今日からはじめる活き活き家庭菜園」について発表してもらいました。織田さんは、EMボカシの応用の基礎を確立したEMのエキスパートであり、ご自身もEMみたいな人で、EMを活用した自然農法の大ベテランです。織田さんの長い経験と探求心から生まれた今回の発表は、究極の家庭菜園法であり、特に長い袋を活用したゴボウ栽培は、ナガイモやダイコンなどの根菜類にも応用でき、会場の皆さんが驚きの声を上げていました。

また、織田さんは、家庭菜園を通して広がるEM効果の余得についても、健康のみならず、人々が活き活きと一体化し、様々な問題も解決する「ご近所の底力」が育つことも教えてくれました。

「健康と環境を考える建築」

最後に、「健康と環境を考える建築」について、有限会社アトリエ門口の門口安則さんに、かつて巨大な幽霊ホテルといわれた建物をEMによってEMウエルネスセンターのホテル・コスタビスタとして甦るまでの改築プロセスと、その成果について発表してもらいました。ホテル・コスタビスタについては本シリーズで何回も取り上げていますので省略しますが、門口さんのような建築の専門家からすると、超長寿命の家、住めば健康になる家、様々な省エネが同時に行われ、その建築物の存在が景観を含め、環境に積極的にプラスになるという理想の建築像がEM技術によって実現できることをまとめてもらいました。今回の情報は、いずれもすぐに応用できる匠の技と言えるものです。

10月は、その外に四国EMフェスタや名古屋のCOP10など、関連する行事が重なりましたが、次回に報告したいと思います。

(2010年11月8日)
PROFILE
ひが・てるお/1941年沖縄県生まれ。EMの開発者。琉球大学名誉教授。国際EM技術センター長。アジア・太平洋自然農業ネットワーク会長、(公財)自然農法国際研究開発センター評議員、(公財)日本花の会評議員、NPO法人地球環境・共生ネットワーク理事長、農水省・国土交通省提唱「全国花のまちづくりコンクール」審査委員長(平成3年〜平成28年)。著書に「新・地球を救う大変革」「地球を救う大変革①②③」「甦る未来」(サンマーク出版)、「EM医学革命」「新世紀EM環境革命」(綜合ユニコム)、「微生物の農業利用と環境保全」(農文協)、「愛と微生物のすべて」(ヒカルランド)、「シントロピーの法則」(地球環境共生ネットワーク)など。2019年8月に最新刊「日本の真髄」(文芸アカデミー)を上梓。2022年(令和4年)春の勲章・褒章において、瑞宝中綬章を受章した。


 

 

 

 

 

会場の国立劇場おきなわ

基調講演・杉本一朗先生

熱心に聴き入る参加者

総括講演・比嘉照夫教授

会場は幅広い層の参加者で満席

トップページ | EMとは? | 特集・レポート | 連載 | 投稿ひろば | 用語集 | FAQ | バックナンバー | EM情報室 | リンク集 | サイトマップ

Copyright (C) Eco Pure All Rights Reserved.