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APNAN(アジア・太平洋自然農業ネットワーク)25周年(2014)記念会議

7月24日から26日の3日間、マレーシアのジョホール・バルでAPNAN25周年の記念会議が開催されました。APNANは1989年、タイのコンケン大学で開催された第1回自然農法とEM技術国際会議終了日に、その成果に感動した多数の参加者から、この技術をアジア・太平洋地域に広げ、貧しい農家の自立を助け、生態系を守る持続可能な自然農法を普及して欲しいという要望が出されました。


APNAN25周年記念会議の参加者
すでに明らかなように、EM技術は自分で良質のEM活性液をつくれば、生ごみや下肥はもとより、自然発生的な有機物は、すべて良質の発酵資材となり、原料により家畜の飼料、水産養殖の資料、有機肥料などに活用することが可能となります。

また、pH3.5以下の良質の活性液は5〜10倍にうすめて3〜4日に1回を目安に葉面散布を続けると病害虫が皆無となり、著しい増収効果とともに高品質の農産物を生産することができます。

その結果、農家は化学肥料や農薬を買う必要が無くなり、雑草もすべて地力に転換し、不耕起栽培もできるようになり、自家採取などを含めて工夫すれば経済的に豊かになり、自立が可能となります。今ではEMを国策的に活用しているタイでは、このような事例は無数に散見されます。

PROFILE
ひが・てるお/1941年沖縄県生まれ。EMの開発者。琉球大学名誉教授。国際EM技術センター長。アジア・太平洋自然農業ネットワーク会長、(公財)自然農法国際研究開発センター評議員、(公財)日本花の会評議員、NPO法人地球環境・共生ネットワーク理事長、農水省・国土交通省提唱「全国花のまちづくりコンクール」審査委員長(平成3年〜平成28年)。著書に「新・地球を救う大変革」「地球を救う大変革①②③」「甦る未来」(サンマーク出版)、「EM医学革命」「新世紀EM環境革命」(綜合ユニコム)、「微生物の農業利用と環境保全」(農文協)、「愛と微生物のすべて」(ヒカルランド)、「シントロピーの法則」(地球環境共生ネットワーク)など。2019年8月に最新刊「日本の真髄」(文芸アカデミー)を上梓。2022年(令和4年)春の勲章・褒章において、瑞宝中綬章を受章した。
このような背景を踏まえ、1989年の末にAPNANの事務所をバンコクに置き、(公財)自然農法国際研究開発センターと世界救世教タイ国本部の協力を得て活動を開始しました。APNANの主な業務は加盟国でのEMの製造と技術指導やモデルづくり、タイ国サラブリーにある自然農法アジア人材センターにおける国際研修の実施です。アジア各国すでに千数百の人々が研修を受け、各国の人材として育っています。

今回の会議には20か国、70人あまりの参加がありました。第1日目はジョホール・バルに建設中のEMモデルシティの見学です。第1期工事1,300戸のうち1250戸が完成し、学校、ショッピングモールなど、すべて建築用のEMが使われています。広々としたプールもすべてEM使用であり、耐用年数は500年以上、800年、管理をEMで行えば半永久の建築物となっています。

使用された建築用のEMは1,500トンあまり、この効果は一般用のEMの数倍にもなりますので、この地域は巨大な強烈なパワースポットとなっています。当然のことながら、このような建物に住む人々は病気になることもなく、その中心部にある大型のプールは、すでに聖水となっており、この2点だけとっても、地上天国と言っても過言ではありません。まわりの植物は植物楽園のようになっており、省エネ効果も30%以上、電化製品の機能も著しく向上します。



建設が進むEMモデルシティ
もちろん、落雷の心配もなく、その建物や建物から発する波動圏内(800〜1,000m)のホコリやPM2.5は不活性化します。太陽の紫外線の害は少なくなり、雨も御神水なみのキレイな水になり、犯罪も極端に少なくなります。

スティブン社長に感想を聞かれ、「私はもとより、EM関連全員を連れて、こちらに移住したいくらいだ」と話しました。誰も信じない話ですが、3〜4年もすれば、さまざまな統計数値で証明できるようになりますので、このEM建築は、未来型建築の世界基準になるものと確信しています。

第2日目と3日目は、各国のEM活動の状況とその成果報告がなされ、EMは、それぞれの国の事情に反映した形で根づいており、タイのレベルに達することは時間の問題と言えるまでになっています。米国や中国や韓国のように、大規模なプロジェクトに即応できるようになった国々、インドネシア、インド、カンボジアのように多数の人々の研修を着実に行い、公と協力しながら、国に不可欠なシステムを完成した国々、ブータンのように、農業省で学校農業プログラムを組織し、全学校でEM教育を行い、国全体をEMで発展させられる仕組みを着々と実行している国々や、マレーシアのように、官民一体となり、種々のモデルを作り、EM技術を推進する国々など、今昔の感がします。

APNANは、スタートは自然農法の普及に力点を置いてきましたが、EMの力はごみ処理、汚水の浄化、畜産分野に広がり、現在では、すべての衛生対策や建築、水産養殖へと広がり、世界のエビ養殖では、抜群の存在となっています。

今回の会議で目立ったことは、発表者に対する質問がまったくなく、その内容をすべてわかって、情報を共有するレベルに達していたことです。私は、全体総括の中で、この点に触れ、同時に全員が「地球を救う大変革」(拙著・サンマーク出版1993年)の精神を深く理解してくれていることに、あらためて感謝した次第です。

(2014年8月9日)





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