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環境フォーラムうつくしまEMパラダイス
世界の事例から学ぶ災害復興

市民による放射能対策と国家プロジェクトによるEM活用事例


原発被災国となった日本とベラルーシ共和国が復興のための叡智を持ち寄ることを確認した環境フォーラム「うつくしまEMパラダイス」(福島県二本松市・市民会館)
東京電力福島第1原発事故から1年半余りが過ぎましたが、被災地の現状は収束、復興にはほど遠く、長引く事故処理に住民、中でもこどもたちの健康状態が懸念されています。10月8日、福島県二本松市で開催された環境フォーラム「うつくしまEMパラダイス」(主催:NPO地球環境・共生ネットワーク=U―ネット)では、市民によるEM技術を用いた放射能低減化の取り組みやベラルーシ共和国国立放射線生物学研究所で行われているEM研究機構とのEMによる放射能汚染対策の共同研究が報告されました。

また、招聘講演でタイ王国・国家洪水汚水問題緊急解決調整諮問委員会委員長が国家プロジェクトとして悪臭対策や水質改善にEM技術を活用した経緯と成果を紹介しました。

同フォーラムのテーマは「世界の事例から学ぶ災害復興」で、約900人の参加者は災害時におけるEM技術の有効活用を再認識すると共に緊急時だからこその国家指導力のあり方や研究者らの取り組みに高い関心を寄せていました。


「2年間で全世帯除染が目標」と語る三保二本松市長
来賓挨拶で三保恵一二本松市長は、「今なお多くの人が未来が見えない中で避難生活を余儀なくしている」と困窮する市民の現状を訴え、「子どもたちの健康と生命の安全を守ることが最優先で、2年間を目標に全世帯の除染を実施する方向で取り組んでいる。脱原発、再生可能なエネルギーを推進していきたい」と話しました。また、市長自身がEMボカシを使っている農業者の1人として「このフォーラムを契機に、EMの有用性、有効性が広がっていくことを願っている。子どもたちのよりよい未来のために活動して欲しい」と呼びかけました。

タイ国の取り組み─「EM活用で費用が100分の1で済んだ」

このあと市民やグループによる事例発表(要旨別掲)が行われ、続いてタイ王国国家洪水汚水問題緊急解決調整諮問委員会のウォラヌット・ジェタムスタポン委員長による招聘講演「国家プロジェクトとして悪臭対策や水質改善にEMを有効活用」がありました。


「EMがなかったら環境問題は解決できなかったと思う」と話すジェタムスタポン委員長
ジェタムスタポン委員長は、昨年7月末タイ国で発生した大洪水の際に国家プロジェクトとして悪臭対策や水質改善にEMを広範囲に活用したことを振り返り、「なぜ、タイ政府はEMを使うのか・・」と切り出し、同委員長が住宅公社在職時にEMを活用して解決した幾つかの事例を挙げました。その内の1例は、「貯水量1800万トンの貯水池の悪臭、汚水対策に500トンのEM活性液を投入したところ、5週間でキレイになって、費用は300万円で済みました。専門家は、この問題を解決するのに10年、3億円かかるだろうと言っていました」とEMならではのローコストでハイクオリティーを実証したケースでした。

このように実績を重ねて評価されたEM技術が、国家プロジェクトとして洪水後の清掃や衛生対策に活用され、住民から「『ご飯は1日くらい食べなくとも生きていけるが、EMがないとニオイや汚水対策ができないので生活ができない』」と言われたことなどが披露されました。


タイ陸軍によるEM活動の様子
国家プロジェクト─政府洪水対策室からの要請を受けたEMROアジア(EM研究機構が出資した現地法人)が、陸軍施設内に設けられたEM製造設備に対しEMの供給と品質の確認を担いました。この施設の数は、5県6箇所の陸軍施設内で行なわれ、被災地や汚染源へEMが供給されました。その中でも、首都バンコク中心部に位置する陸軍運動競技場では1日20トンのEM活性液が住民に提供されました。また、浸水したごみ処理場ではEM活性液に加えてEM団子9万個を投入して悪臭を即座に押さえた。洪水後の衛生対策にも継続してEMが活用されている。政府や軍による活動のほか、様々な団体やボランティアがEM団子づくりに参加するなど国内にEM活動が広がっている。(参照:2012EM災害復興支援プロジェクト事例集)

多彩な顔ぶれでパネルディスカッション

休憩をはさんで行われたパネルディスカッション「ベラルーシ共和国および福島での研究成果について」では、ベラルーシ共和国から来日したアレキサンダー・ナウモフ博士(ベラルーシ共和国国立科学アカデミー放射線生物学研究所・所長)とアレクサンドル・ニキティン博士(同研究所放射線生態学研究室・室長)、奥本秀一さん(鰍dM研究機構・研究部長)、野呂美加さん(NPO法人チェルノブイリへのかけはし代表)らをパネリストに、比嘉照夫名桜大学教授、杉本一朗医療法人照甦会理事長がコメンテーターで登壇しました。


タイ国、ベラルーシ共和国からEM活用の画期的な報告があったパネルディスカッション
始めに、21年間にわたってチェルノブイリのこどもたちの支援活動を続けてきた野呂美加さんが、「放射能の障害はあとから出てくるから怖い。今、大丈夫だから、もう大丈夫ではない。事故が起こった後、ベラルーシ大使館の方がわたしに言いました。“わたし達の過ちを繰り返さないでね”と。これくらいの汚染なんて大したこと無いと思っていたら大間違い!予防に予防を重ねて、子どもを守り抜いて、やりきって、ああよかったと言える20年後が欲しい!」と訴え、「すでに、福島の子どもたちの間で甲状腺にしこりやのう胞が見つかっていて、1日も早く子どもたちを安全な区域に避難させて欲しい。チェルノブイリの子どもたちの二の舞はさせたくない」と声を詰まらせながら参加者に呼びかけました。“子どもたちの安全を守りたい”と願う長年の行動力に裏付けられた真摯な訴えに、会場から感動と賛同の拍手がわき起こりました。

ニキティン博士の研究は、EMが放射性セシウムの植物への移行をどうして抑制できるのかを追求し、次のような実験を通してそのメカニズムを明らかにしました。

実験は、秋まき小麦とエンバクの種を播いたポットとレタスを植えた畑で行いました。
1. ポット試験では、チェルノブイリ原発事故の立ち入り制限地域で採取した放射性セシウム濃度が10,000ベクレル/kgの土を使用。
1つ目の処理区にはEMを1%の濃度で入れた水を、乾燥土壌に土壌の重さ25%に当たる量を1回のみ加えました。
2つ目の処理区にはEMボカシを土壌の重さの5%に当たる量を混ぜました。
EMを加えていない処理区を対象区にしました。
2. 試験圃場に用いた畑の放射性セシウム濃度は、200ベクレル/kg。
1つ目の処理区ではEM1を1000倍に希釈した水をEM1原液にして、1uに100ml入るように栽培期間中5回散布しました。
2つ目の処理区では、EMボカシを1u当たり1kg散布しました。
EMを処理しないものを対照区としました。

収穫後に行った分析の結果では、ポット試験で最も放射性セシウムの移行を抑制したのは、EMボカシ処理区で、秋まき小麦、エン麦とも対照区に比べて植物体への移行を2倍以上抑制しました。EM1処理区ではセシウムの移行が対照区に比べて25%抑制されました。 レタスを用いた圃場試験での放射性セシウムの移行は、EM1をポット試験より多い回数を散布したので、その分植物への移行が強く抑制されました。

各処理区の土壌中の水溶性セシウムはEM資材を使用した処理区では2分の1に減少し、中性の塩類水溶液によって交換抽出される交換態セシウムの量は約2%減少している。植物に移行するセシウムは基本的に水溶性セシウムと交換態セシウムの2つなので、EM処理区で植物への移行量が減ったことが明らかになりました。

以上の実験結果で分かったことは次の通りで、
EM1とEMボカシはセシウムの植物への移行を減らす。
EM1とEMボカシで処理した土壌では、植物の根が吸収しやすい水溶性及び交換態セシウムの量を減らす。
EM1はセシウムを有機物結合態に変える。
EMボカシはセシウムを粘土鉱物に結合するセシウムに変える。
ニキティン博士は、「今後、さらなる研究が必要だが、EM技術はセシウムで汚染された土壌で安全な農作物を栽培するために有効、安全で、エコフレンドリー技術になり得る」と結びました。

EM研究機構の復興支援プロジェクトの一環として、平成23年5月から福島県にてEM技術による放射能低減化試験に取り組んでいる奥本研究部長は、EMやEM堆肥を活用することにより放射性セシウムの農作物への移行抑制効果が認められ、これらの資材を活用することにより有機物循環型システムの復興と安全・安心でおいしい県農産物の復活が可能になると報告しました。

この後、㈱ホワイトマックス・増本勝久取締役会長による特別講演がありました。同社が開発したエンバランス加工は、EMが添加されていて食品の保存容器や袋に活用され商品化されています。この特異性を活かして行った実験は、「放射性セシウムをエンバランスの保存袋に入れて、牛乳と水を別々に加えて24時間後、牛乳で78%、水で81〜89%のセシウムが減少していた」と驚きの内容。増本勝久取締役会長は、長期的に継続して繰り返して実験に取り組んでいくと話しました。

比嘉教授は総括講演で「汚染地帯の復興は、その地で健康に生きられる方法があって、汚染のない健康な農産物ができることが必須条件になる。福島はあらゆる障害を乗り越えて、世界に未来を示さなければならない。北海道の面積より大きいタイ国で成功した汚染対策を参考にしてEMを思いっきり使えば必ず放射線量は下がる」と説き、「幸福度の高い社会とは、①自分で食べるものは自分で育てる②病気にならないための生き方ができる③生活の中で自己管理能力がある④人間関係を創る能力がある⑤学ぶことが好きである」と鼓舞激励しました。

 

事例発表要旨

1.作物への放射性物質移行抑制、農地及び住宅地の放射線量低減化
栃木県那須塩原市:EM柴田農園

柴田農園に集う小さな子どもを抱えたお母さんたち 中央:柴田和明さん
原発から100km地点の那須塩原市で農業を営む柴田和明さんは、「当地区の放射能空間線量は、0.3〜1.0マイクロシーベルト/h程度。毎日雨の日もスプリンクラーでEM散布しているので、周りから変わり者と見られている」と話し、「農産物の放射性セシウム濃度は検出限界以下になっている」と報告しました。柴田農園はEM活性液を無償配布する拠点になっていて、地域の人たちと取り組む放射線量の低減化では場所によって3〜5割低減を達成しています。そんな中、柴田さんが画像を通して訴えた1枚があります。子どもたちが通う地元小学校のグランドの片隅に除去済みの汚染表土がブルーシートも被せず野積みで放置されています。教育の現場で、あってはならない驚愕の1枚です。
2.住環境の放射線量低減化
福島県いわき市:EMとじょうろの会・久呉ますみ代表

じょうろの散布でも、積み重なれば放射線量が低減
「スタート当初は、EM活性液を希釈しすぎて、効果を上げることができなかった」と振り返った久呉さん。現在は、毎週60リットルを会員に配布して散布量を増やすことで放射線量の低減化に効果を上げています。「これまではセシウムとの戦いのように思ったが、EMを撒き続けていると線量が上がらなくなって、土からのエネルギーを感じるようになった。セシウム対EMの構図ではなく、土に力を付けることが大事だと思えるようになった」と話す久呉さんの日課は、自宅を中心にじょうろでEM活性液を散布することです。
3.園内の放射線量低減化、安全・高品質な農作物の生産
栃木県那須郡那須町:障害者支援施設・マ・メゾン光星

栃木県内のシイタケ栽培は軒並み出荷停止に。EM散布で画期的低減をめざす
栃木県と福島県の県境に総面積93haの広大な敷地をもつ施設では、利用者の自立や発達訓練を兼ねて野菜づくりやシイタケの原木栽培、山菜採り、果樹栽培などを行っていましたが、原発事故で農地が汚染され、多くの自主製品が出荷・販売停止になりました。比嘉教授のアドバイスを受けてシイタケ原木やホダ場周辺にEM活性液を散布したところ、空間放射線量で約0.1マイクロシーベルト低減。ブルーベリーやストロベリーへの散布では、厚生労働省の基準値を大きく下回って、今年度分を出荷することができました。

EM活用は放射能対策だけでなく、EMボカシづくりや河川浄化など地域とつながる新たな活動もつくり出しています。ちなみに、施設の初年度(平成23年度)被害総額は約200万円で、東京電力への賠償請求ではシイタケ原木のみに補償の目途が付いたばかりだと言います。

4.住宅及び周辺の山林を対象とした放射線量低減化
福島県田村市都路町:コズモファーム・今泉 智代表

屋根などの上からEMを散布すると地上の放射線量が上がらないと言う今泉さん
原発から7kmの地点にあって避難指示解除準備区域に指定されている自宅に止まり、EM活性液を散布することで放射線の低減を図っている今泉さん。倉庫には1トンタンクが42基設置されて、常にEM活性液が培養できる体制です。今泉さんと共に活躍する3トントラックにはEM活性液3000リットル入りのタンクと高圧ホースを備えた消防ポンプが積載され、要請されれば町内のどこでも出かけてEM散布します。自宅周辺の放射能低減化では、周囲の山林一帯を除染する必要があると判断して、現在は山林を含めた32haにEM活性液を散布しています。今後の展望を「地域の人々が生き生きと働き、生活できる場所を取り戻すために取り組みの輪を拡大していきたい」と述べました。
5.EM技術による酪農の放射能対策と環境改善
福島県南相馬市:瀧澤牧場

EM飼料を食べてストレスフリーの牛たち
原発から21kmの地点で酪農(ホルスタイン38頭、育成牛10頭)を営む瀧澤さんは、牧草を100%自給しています。ところが、牧草が放射性物質に汚染されるという深刻な事態になりました。そこで瀧澤さんは、EMで栽培した飼料を給与することで原乳の放射性物質濃度が下がるかどうかを確かめたのです。 8週間後、貯まっていた内部被ばくの放射性物質が放出しきったところから数値が下がり始めました。堆肥置き場のニオイやハエも激減し、堆肥中の個液分離も早くなって、しみ出した水分は液肥槽へ入り、その後EM液肥として牧草地に還元します。今後はこれらのEM堆肥や液肥を還元した土壌中の放射性物質の低減と牧草への移行抑制効果の確認が期待されています。
※事例報告は、U−ネット発行「2012EM災害復興支援プロジェクト事例集」参照。
※同フォーラムの詳細は、NPO法人地球環境・共生ネットワーク事務局迄
http://www.unet.or.jp/

(2012年11月17日)

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