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地域興しに繋がるEM活動
「善循環の輪」と「花のまちづくり」セミナーが群馬・伊勢崎市で開催



約400人が参集した「善循環の輪の集い」


市と教育委員会の後援を得た「善循環の輪の集い」。五十嵐市長が歓迎挨拶
「善循環の輪 群馬の集いin伊勢崎」(主催:NPO法人地球環境・共生ネットワーク、後援:伊勢崎市・市教育委員会)と「花のまちづくりセミナーin伊勢崎」(主催:NPO法人全国花のまちづくりネットワーク)が、9月19日伊勢崎市市民プラザで行われ、両会あわせて約400人が参加した。

「善循環の輪の集い」は、全国各地で活動するEM実践者(平成21年9月現在会員団体・人数、969団体・約20万人)の事例発表会で、平成19年から毎月、各都道府県1か所の予定で催されている。今回で30回目の開催となる。また、昨年から「集い」に先立ち、「花のまちづくりセミナー」が開催されるようになった。さらに、今年から「集い」の中で、医療法人「照甦会」の先生の講演も行うようになった。

午前中行われた「花のまちづくりセミナーin伊勢崎」では、比嘉照夫名桜大学教授の講演「環境にやさしい花のまちづくりの進め方」に続いて、「花にときめき、人がきらめき、心をつなぐまちづくり」(粕川フラワーロードの会・高橋美律子代表)と「無農薬で環境に負荷をかけない庭


販売コーナーにもたくさんの人が足を運んだ
づくり」(山中ユカリさん)の事例発表があった。午後からの「善循環の輪 群馬の集いin伊勢崎」では、比嘉教授講話と医療法人「照甦会」理事長杉本一朗医師による講演「日本医療の現状と予防医学」、事例発表があった。

五十嵐清隆市長は「集い」の冒頭で、「これからの農業は安全・安心で生産者の顔が見える農産物の確保が大事で、地元の農産物が揃う直売所は市民の評価を得ています。農業と環境問題に取り組んでいる皆さんの活動は地域興しにもなっています」と歓迎の挨拶をした。

事例発表では、足利市の葉鹿エコクラブに所属する子どもたち6人(葉鹿小6年生)やEMネット北関東、伊勢崎有機農業研究会の発表が行われた。いずれも教育や農業の現場で営々と築いてきたEM活動の実績が地域を活性化する原動力になっていることを示す内容になった。会場ロビーに設けられた販売コーナーでは、葉鹿エコクラブの子どもたちの手づくりEM石けんや同クラブ10周年記念誌が飛ぶように売れていた。

各発表要旨や比嘉教授講話要旨などは以下に掲載。

「花のまちづくりセミナーin伊勢崎」事例発表要旨

「花にときめき、人がきらめき、心をつなぐまちづくり」高橋美津子(伊勢崎市)

花の力でごみの不法投棄を防ごうと、8年前粕川フラワーロードの会(会員60人)を結成して、全長34kmの粕川の土手に花を植え続けてきた。次第にごみを捨てる人はいなくなり、地域を巻き込んだ花のまちづくりへと進化していった。四季折々に咲く花と人とのふれあいが、仲間を増やし地域を元気にしている。

「無農薬で環境に負担をかけない庭づくり」山中ユカリ(伊勢崎市)

8年前、自宅の新築を機に庭づくりに開眼。木や種々の草花、約70種類のバラを無農薬栽培している。当初は、農薬や化学肥料を使ったが、2年目に「自分の庭も地球の一部」と気づき、健康な土づくりで健康な庭づくりをめざした。竹酢液にニンニク、唐辛子、乾燥ドクダミなどをブレンドした自然農薬を手づくりし、根気よく使い続けた。この間病害虫は増え続けたが、4年目ころからミミズが増え、水はけが良くなると病害虫の姿が消えた。

比嘉教授講評

群馬県は、県民参加のボランティア体制が整ってきているので、これから楽しい花のまちづくりができるのではないかと大いに期待される。 高橋さんたちの取り組みは、花を使った環境づくりで地域をよくしていこうという住民ボランティアの行動が地域を元気にしている。宿根草や花木を合わせて取り入れると雑草対策にも効果的だ。 自分の庭も地球の一部という山中さんの発想は、個人のがんばりが社会のための存在になっている。庭づくりの工夫では、雑草や剪定枝を肥料として循環させるとさらに楽しくなる。

「善循環の輪 群馬の集いin伊勢崎」

比嘉教授講話要旨



熱心に耳を傾ける参加者たち
EMの効果とは、悪玉菌(崩壊)と善玉菌(甦生)の2つの流れを決めている微生物の働きを管理し、誰もが善玉菌を増やせることにある。良いEM活性液(pH3.5以下)をつくって、EMを労り育てて、日常的に使っていけば甦生の法則に導かれる。EM運動の原点は自己責任と社会貢献認識にあって、EMを使う生活そのものが社会貢献、ボランティアになる。自分で自分の健康を守ることで、自分の存在が社会のためになっているかを認識することが必要。

我々のねらいは経済成長ではなく、最高に幸福度の高い国を創って、世界貢献をすべき。EMを使うことで、川や海をキレイにして農業を活性化し、自然を甦らせることができる。あらゆる場面で楽しみを見出し、自分の生き甲斐にして、その結果が国や地域に貢献し世界貢献につながるのだとイメージして、大いにEM活動を楽しんでほしい。

講演要旨

医療法人「照甦会」沖縄照甦クリニック医師 杉本一朗

日本で保有するMRI、CTは、ヨーロッパすべての国の総数より多く、世界中がうらやむ国民皆保険制度など、医療制度・技術は世界トップクラスと言える。しかし、現状は病気にかかる人は増え続けている。WHOが発表した世界のガンの死亡率の推移を見ると、先進国は下がっているのに日本だけが伸びている。1950年には全国で6万人がガンでなくなったが、昨年は34万4000人で、半世紀で約6倍に増えている。

アメリカとヨーロッパが好転したのは、77年代に発表されたマクガバンレポートが発端で、これ以降アメリカは病気を自己責任として捉えるようになった。これを欧米も受け入れて国が国民に自己管理を促すようになった。結果、90年代前半からガン死亡率が減少した。注目すべきはキューバで、ソ連が崩壊した後アメリカの経済封鎖を受けて医療や農薬、化学肥料、食糧も入ってこなくなったため、国策で各家庭に有機栽培を奨励したことと予防医学を教育できる医者を増やしたのが功を奏して平均寿命が延びていると言う。

予防は最善の医療である。病気にかからないため、またかかったとしても自然治癒力を取り戻すことが治療につながる。そのためには、①良い食材で腹八分目、②EMライフ=甦生型ライフ、③電磁波に注意、④人間として生きていく上での目的意識を持つ、などを心がけてほしい。

アメリカ上院栄養問題特別委員会が7年の歳月と国費を費やして1977年に発表したレポート。アメリカ経済を脅かしている膨大な医療費の原因を追求。慢性的な心臓病やガンの元凶は食生活にあるとし、決して薬では治らないと指摘した。

事例発表要旨

「環境教育と地域の協働活動」葉鹿エコクラブ(栃木県足利市)



登壇した6人の子どもたちがリレー式に、これまでの取り組みの経緯と実践内容を報告した
平成12年の彦谷川の生物調査から身近なエコ活動へと発展し、EMを導入したことで水質浄化やプール清掃、リサイクル活動へとテーマが広がった。平成15年には、京都国際会館で開催された「第3回世界水フォーラム」で実践発表。同年、地域の支援を得て、児童や卒業生、先生、保護者も参加できる「葉鹿エコクラブ」(会員69人)をスタート。学校の中の活動が地域に飛び出し、地域と協働で環境活動を行っている。地元のNPO法人足利水土里探偵団と西ロータリクラブが活動をバックアップする。豊富な実績をもとに、企業や各種団体に招待されて行う実践発表は数多く、受賞歴も「こどもエコクラブエコロジカルアクション県コンテスト優秀賞」や「足利市教育実践特別賞」など8年間で17に及んでいる。

「群馬県の活動から…高崎市、太田市、榛東村」EMネット北関東事務局長 萩原伸夫(高崎市)

群馬県には農業分野でEMを活用しているベテランが多いが、近年は環境分野でボランティアの活躍も盛んになっている。


下室田小学校のEM活動。「EM団子づくりは楽しいね
高崎市・・下室田小学校の活動
プール清掃にあたり学校側から地域のEM実践者に協力を要請。川や池の浄化にも地域の人たちと共に取り組んでいる。
高崎市榛名地区・・榛名地区は果樹栽培が盛んなところで、「百姓屋」さんは、イチジクの栽培にEMを活用。EMの先輩農業者らから熱心に学んでいる。
太田市・・EMネット太田は、市と協働で生ごみの堆肥化に取り組んでいる。授産施設がEMボカシEM活性液をつくり、供給している。小学生の野外学習では野菜づくりとEMを学習する。
榛東村・・10年に及ぶ村商工会女性部のEM活動は、生ごみリサイクルで花づくり、EM石けんづくりで、町の景観と環境問題に取り組む。

「養豚から有機農業・環境浄化活動に広がるEM」伊勢崎有機農業研究会事務局 浮塚一雄(伊勢崎市)



EM発酵堆肥でタマネギをつくるグループ。左端が宮田宏会長


調整池に流入した豚尿はEMで浄化され、良質な環境浄化水(EM豚尿浄化水)として農業や環境浄化に活用される
伊勢崎有機農業研究会(宮田宏会長。会員56人)は、市街地で養豚業を営む(有)宮田ブリーディング(宮田琢也社長)のEM発酵堆肥を使って有機農業に取り組むグループ。イチゴ、トマト、ネギ、タマネギ、米栽培などに活用され、生育、収量、品質、糖度に効果が著しく、発酵堆肥は予約順番待ち。知的障害者通所更生施設「天啓園」の農場でもEM発酵堆肥を使って野菜が育てられ、直売されている。

(有)宮田ブリーディングは、EMを活用することでニオイの問題をクリアーして地域社会との共存を図っている。常時約4500頭を飼育するが、飼料にEMボカシを添加して良質な肉質と評判。また、糞尿は固液分離して糞はEM発酵堆肥として有償供給し、尿は標準活性汚泥方式とEMで浄化、活性化したものを調整池に送り、一級河川に放流している。調整池の活性化した豚尿はEM豚尿浄化水(環境浄化水)として約100人の市内外の農業者に無償提供されている。

将来的には、良質な堆厩肥の不足が見込まれることから、廃枝葉などの資源を再利用した発酵堆肥づくりを推進する。また、農業以外にも地域の用水路や道路の側溝、湖沼の浄化にも取り組み、住民に喜ばれている。

比嘉教授講評

葉鹿エコクラブの活動を通して子どもたちは、生きる力を育み、自己管理力を高め、環境ボランティアとして教育とまちづくりを同時に行った。これぞ教育の原点だ。学校の子どもたちが社会の一員として責任を果たしているケースで、素晴らしい教育効果をもたらしている。

畜産から出る糞尿は、EMでレベルアップをして堆肥になり、それを使うことで農業も良くなる。さらに環境浄化水(豚尿浄化水)が流れた川もキレイになる。宮田さんのところでは、調整池の上澄み液より底部のヘドロ状の方にEMがたくさん含まれている。発酵分解を繰り返すとエネルギーが分散するが、EM密度が高く、ニオイをクリアーしたらフレッシュの方が良い。良質の堆肥が手間をかけずにつくることができる良い例だ。

(2009年10月15日)

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