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全国EM技術交流会九州大会in熊本
いのちあふれる地球を子どもや孫に・・
新しいまつりへの始まり


確かな手ごたえに涙を見せる比嘉教授

代々受け継がれている山鹿灯籠踊りを鹿本高校伝承芸能部が披露

「今、食をかえなくてはいけない」と訴えた保田名誉教授

「バトンを受け取ったよ!」と唄う子どもたち
第15回全国EM技術交流会が3月13日、熊本県・県立劇場で開催され、全国から約1,200人が参加し、立ち見がでるほどの盛況ぶりだった。主催は、九州EM普及協会を中心にした実行委員会(青木スミエ実行委員長)で、全国EM普及協会、(財)自然農法国際研究開発センター、㈱EM研究所が後援した。この大会は、農業、環境、教育分野など、年1回東京と京都の会場で交互に行っていたものを昨年から環境分野を中心に全国もちまわりで開催するようになった。

地消地産の中に
未来へつながる鍵がある

当日は地元高校生による山鹿灯籠踊りのオープニングに引き続き、有機農業の普及に尽力する保田茂神戸大学名誉教授が、「みんなで考えよう。日本の食べ物の未来」をテーマに基調講演を行った。保田名誉教授は、超々高齢化と少子化による農の担い手不足と農地の荒廃、マイナス成長の経済状況、世界規模の食糧不足などの問題点を上げ、「このままでは大変な未来へとつながる」と警鐘を鳴らした。そして、「地域で取れた農作物を食べて安全な『食』を確保し、『農』と『自然』を守る地消地産の取り組みの中に、未来へつながる鍵がある」と訴えた。

地域をつなげるEMの力
子どもたちの歌声に涙

事例発表には鹿児島県、宮崎県、熊本県でのパワー溢れる4事例が発表された。地域環境の悪化にいち早く気づいた人たちが、EMを継続して活用して蘇らせた美しい自然環境を、子や孫たちにすでに受け渡していることに、参加者は大きな感銘を受けた。
中でも、熊本県河内町の河内小学校4年生が、ホタルのすめる町にしてくれた地元の人たちと川や海や山を、BEGINが歌う「島人ぬ宝」(しまんちゅぬたから)を「河内の宝」と替え歌で唄うと、その澄み切った歌声に目頭を押さえる姿も見られた。
最後に登壇した比嘉照夫名桜大学教授も、感極まった様子で、「美しい自然を子どもや孫たちに手渡すことは、先に生まれてきたものの務め。EMの真価を引き出し、それを達成したみなさんに感謝したい」と述べ、「人と人との信頼の上に、今まで使っていたものの変わりにEMを使うことを習慣にする。それだけで、環境がきれいになり、農業は豊かになり、食は安全になる。人間は健康になり、幸福になるという善循環が回り始める。政治を変えることは、くらしの仕方を変えること。ぜひ、信頼と習慣を合言葉にたくさんの人にEMを使っていただきたい」と結んだ。

事例発表は以下の通り。

早期水稲におけるEMの活用
農業 栄楽 正光(鹿児島県肝属郡)


耕作放棄地を青々とさせたい
鹿児島県大隈半島にあり、ほぼ9割が林野で、耕地面積の半分が水田という地域で、定年退職後に就農。家業の精米店から出る米ヌカ、モミガラを利用したEMボカシで10年間稲づくりを行った。その結果、良質のボカシ、EM活性液を作ることで、品質、収量とも向上した。初めは、自給のための田んぼだったが、今ではJAなどで販売している。耕作放棄地が広がる地域で、EM自然農法による稲作を広め、後継者を育てたい。

比嘉教授講評:米・麦の輪作を行い、残渣を土に戻しEM活性液を使うことで農地の利用率をあげ、収穫を増やすことが現在では可能になっている。米ヌカをまき、EM活性液をかける簡易な方法も推奨できる。従来の農業の考え方を変えて、創造的な農法を考えてほしい。

EMパワーで町づくり
奥古閑校区まちづくり協議会 前田洋子(熊本県海路口町)


コミュニティづくりにEMはぴったり
海路口町は、熊本市の西部、有明海に注ぐ緑川の河口右岸の干拓水郷地。4つの校区がネットワークを組み、環境浄化活動を行っている。米のとぎ汁EM活性液、EMボカシ、廃油せっけんの講習会を行いながら、EMエコアドバイサー養成講座で、指導者を養成。海路口漁協にEM活性液製造装置を設置し、漁協組合員と校区住民が誰でもEMを使える仕組みを整えた。平成20年から、同校区を含めた天明地域で、農村の環境向上を目的に「天明環境保全隊」がスタート。21年度には地域コミュニティづくり支援事業に「環境美化リサイクル事業」が採択され、ごみの減量化にも取り組んでいる。町内の草も堆肥化して、花作りに活用している。小中学校、老人施設、障害者施設、海苔生産企業などがつながりをもち、EMで活気のある町づくりが行われている。

比嘉教授講評: EM環境活動をすすめるボランティア団体「クリーン帯山」(熊本市・青木スミエ代表)のメンバーによる指導の成果が、EMパワーとなって町を動かしているのは素晴らしい。暮らしのなかにEMが定着しており、新しい政(まつりごと)が始まっていることを感じさせる。

豊かな自然といのち輝く地域づくり
水を守る会 谷口みゆき(宮崎県綾町)


「水といのち」を大切にしたい
綾町は、宮崎県の中央部に位置する照葉樹林に囲まれた町。「自然生態系を生かし、育てる町にしよう」を基にした町づくりを推進している。平成元年から綾町女性の集い(綾町水を守る会)が、廃油石けんづくりを行い、平成8年からEMも加わり本格的な水を守る運動をスタートさせた。廃油粉石けん作業場にEM拡大装置を設置して、プール、排水路、施設周辺の池などにEM活性液を投入している。綾小学校での環境学習、地域座談会、女性の集いや総合文化祭などで、毎年EM活性液の無料配布を行っている。今後は、町が40年近く進めてきた一坪菜園にEM活性液や生ごみEM発酵肥料を活用できるような勉強の場をつくりたい。

比嘉教授講評:町の集会などで町民憲章を唱和する人々の郷土愛が、花のまちづくり大賞などの実績につながっている。有機農業モデルタウンとしてもトップを走っている。21世紀の町づくりのお手本になってほしい。

町ぐるみで生ごみ減量から海の再生まで 
河内校区せせらぎ会 中川ケイ子(熊本県河内町)


「みんなの力」で「続けること」
河内町は、熊本市の西部に位置し、東は金峰山、西は有明海に面した町。高度成長とともに破壊されていく自然環境を回復させようと「せせらぎ会」を設立。「私ひとりがしてもではなく、私ひとりから」を合言葉に、地域住民が生ごみ減量から環境浄化活動を始めた。各家庭からEM活性液を投入した結果、河内川にはホタルやアユ、アサリが蘇り、河内川の河口周辺で特選のノリが獲れるようになった。平成12年には、他県では色落ちなどで養殖ノリが壊滅近い状態になったが、河内沿岸の漁場では11億円を超える水揚げがあった。
このことも契機となり、今では、漁協、小中学校、住民が一丸となって、地域の自然環境を次世代につなげる取り組みを行っているので、今後も継続していきたい。

比嘉教授講評:きれいな海になって一番恩恵を受けている漁協のみなさんのお礼の言葉や、河内小学生の「河内の宝」という歌の中にある感謝の心に感銘を受けた。これからも、次世代のDNAに「地域がひとつの家族のように楽しく助け合う」という遺伝子が組み込まれていくと思うと、とてもうれしい。

(2010年3月30日)

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