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EMの機能と重力波(その3)

前回は素人でも確認できるEMの不思議について述べましたが、一般的な説明では、抗酸化、非イオン化、整流による電子効果が極端に上るためといえます。この現象は、生命体、非生命体を問わず、また有機物、無機物を問わず、更には、あらゆる化学反応や電子の動向にも認められ、例外はありません。

すなわち、エントロピーが極端に低く、秩序化が常に保持される蘇生現象(シントロピー)ですが、そのエネルギーは重力波の作用によって保持されていると言っても過言ではありません。

この原点的な力は、すでに述べたように、合成機能や発酵機能を持つ、嫌気的な性質の強い微生物が重力子を発し、重力波を機能させるという関英男先生の説と合致するものです。

要は、このような機能を持つ微生物の力をどのように集積し、維持するかということになりますが、良質のEM活性液を整流力のある炭や塩等を併用し、効果が出るまで使い続けるということになります。

波動の世界では、上位のものが下位のすべてを支配するということになっています。そのこと逆説的に考えると、波動の機能が低いものに、上位の波動を持っているものを添加すると、上位のレベルに引き上げられるということになります。

前回の「素人でも確認できるEMの不思議」に述べたことは、このような背景があるためです。また、これまでも、度々、説明したように、EM活性液を作る場合、1,000〜10,000分の1のEMXゴールドやスーパーセラC等を加えると、極めて良質の活性液が出来ますが、その効果は海水を使うと更に倍加します。

海洋深層水にも、このような重力波の原理が働いています。100%海洋深層水を使わなくても、その効果はかなり高く、普通の海水に100〜1,000分の1くらい加えても同じ効果があります。この現象も深海にいる嫌気性菌の発する重力子によるものと考えた方が良さそうです。

20年くらい前に、海洋深層水の応用試験を行なったことがあります。確かに、生育が良くなったり、病害虫が少なくなったり、明確な効果が確認されました。しかしながら、普通の海水にEMを100〜1,000分の1くらい添加しても全く同じ結果となったため、その後は海洋深層水の研究は中止となったいきさつがあります。

5,000トン余のEM活性液を投入された東京湾は、これまでのEMの浄化メカニズムに加えて、ある意味では、湾全体が海洋深層水状になったためとも言えますし、三河湾はもとより、EMダンゴやEM活性液の投入によって、きれいで豊かな海に変わった所は、全く同じ見方も成立します。

前号で、「EMの限界突破の本質は重力波によって支えられている。」と述べましたが、病害虫の発生もエントロピーの増大によって起こりますので、限界突破の作物には、病害虫は全く発生しないことになります。

  <写真1>


EM栽培に徹したつもりでも、シーズンが終わりになると、病害虫が多発することがあります。このような事例の対策のため、前号で述べた結界線をモンシロチョウの食害のひどいキャベツの上に載せてみました(写真1)。





  <写真2>
その後、モンシロチョウの害が減り、完全に結球し、きれいなキャベツを収穫することができました(写真2)。

写真3は、サンシャインファームのトマトハウスの状況です。3月末には、オンシツコナジラミ、ダニ、アブラムシ、ヨトウやウドンコ、サビ病などが多発し、一般的なEM活用では限界があります。

このような状況に、結界線を連結し、ハウスはもとより、トマトの植物全体が整流されるように措置しました。2週間くらいすると様相が一変し、病害虫の大半が消失し、ほぼ最盛期に近いレベルの収穫を続けています。まだ、実験段階ですが、この技術が実用化されれば、農業のかかえる大半の問題は解決が可能といえます(写真4)。

 <写真3>
 <写真4>


(2016年5月12日)





PROFILE
ひが・てるお/1941年沖縄県生まれ。EMの開発者。琉球大学名誉教授。国際EM技術センター長。アジア・太平洋自然農業ネットワーク会長、(公財)自然農法国際研究開発センター評議員、(公財)日本花の会評議員、NPO法人地球環境・共生ネットワーク理事長、農水省・国土交通省提唱「全国花のまちづくりコンクール」審査委員長(平成3年〜平成28年)。著書に「新・地球を救う大変革」「地球を救う大変革①②③」「甦る未来」(サンマーク出版)、「EM医学革命」「新世紀EM環境革命」(綜合ユニコム)、「微生物の農業利用と環境保全」(農文協)、「愛と微生物のすべて」(ヒカルランド)、「シントロピーの法則」(地球環境共生ネットワーク)など。2019年8月に最新刊「日本の真髄」(文芸アカデミー)を上梓。2022年(令和4年)春の勲章・褒章において、瑞宝中綬章を受章した。

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