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簡易の炭化および整流灰の作り方と使い方

前回で、「ユニバーサルビレッジ国際会議の第一の目標である『化学肥料や農薬に替わる素材の開発』に対しては、海水塩を中心とした塩の多目的な活用によって達成することが可能である」という方法を紹介しました。と同時に、この技術をさらに高度化するためには、炭を土に戻すことが重要だとも説明しました。

炭の土壌改良効果(物理性、化学性、生物性)が群を抜いていることは、昔から明らかです。これをシステム的に行っているのは『サトウキビのバガスを炭にして、土壌に戻し、微生物と併用し、さらに効果を高めている』という沖縄県宮古島の事例のみです。

福島の放射能汚染対策において、EMと塩と木炭を組み合わせて使用することは、ある意味必然的な面もありますが、私は、この『すべての有機物を炭化してEMで機能性化させ、炭の効率を飛躍的に高める方法』を確立するための様々な実証を、ユニバーサルビレッジ国際会議の目標と連動させながら、試みてきました。

要約すると、『炭を作る機器をEM技術で整流して、出来上がった炭や灰に、海水で培養したEM活性液を吸収させた後、直径10〜30cm、深さ1mの穴を5〜10m間隔(誘導方法によっては50〜100m間隔)に掘り、その穴に炭を棒状に埋め込み、鎮圧した上から塩を0.5〜1Kg施用する』という方法です。もちろん、上記の方法で作った炭や灰を、従来通り土壌に混和するだけでも限界突破的な効果が得られますが、さらに効果を高め、永続性を強化する必要があります。『深さ1mくらいの全層を整流するために炭を乾電池の炭素棒的に機能させる』という考え方です。このような方法を徹底して実施すると、すなわち、土壌全体の量子的機能が高まり、原素の転換効率が促進されるのです。

このような背景から、あらゆる有機物を炭に出来る機材の開発を進めていましたが、既に先行的な事例がありましたので、それらの方法にEMの整流技術を加味し、広く普及するよう協力することになりました。

今回紹介する株式会社モキ製作所の無煙炭化器は、個人やグループレベルで対応できる優れもので、実績も十分にあり、官公庁のお墨付きの普及型です。ゴミの完全資源化を考える行政にとっては、このレベルでは対応できませんが、決定打となるシステム的炭化機もすでに出来上がっており、次回に紹介する予定です。

今回の無煙炭化器は、あくまでもEM技術とセットした方法で紹介しました。
使い方は今回の内容をご参照ください。炭化器の購入については、モキ製作所にお問合せ、あるいはAmazonにて「検索 無煙炭化器」で購入できます。
また、今回紹介している「整流シール」ですが、Uネット会員に年に1回5枚ずつ提供していますので、Uネットへの会員申込みをご検討ください。

<埋設する炭について>
⇒ひとつの穴に対し、炭10リットル前後+塩1kg+EM活性液(海水培養or水)3リットルを入れ、20cmくらい土を被せてフタをする。
⇒炭と塩とEMを全部入れて、その上から土で覆う。
⇒約300坪の圃場の場合、圃場の四隅に穴を掘り、穴と穴の間隔が15〜20m間隔で埋設すると良い。(2017.6.23 追記)



(2017年2月7日)




PROFILE
ひが・てるお/1941年沖縄県生まれ。EMの開発者。琉球大学名誉教授。国際EM技術センター長。アジア・太平洋自然農業ネットワーク会長、(公財)自然農法国際研究開発センター評議員、(公財)日本花の会評議員、NPO法人地球環境・共生ネットワーク理事長、農水省・国土交通省提唱「全国花のまちづくりコンクール」審査委員長(平成3年〜平成28年)。著書に「新・地球を救う大変革」「地球を救う大変革①②③」「甦る未来」(サンマーク出版)、「EM医学革命」「新世紀EM環境革命」(綜合ユニコム)、「微生物の農業利用と環境保全」(農文協)、「愛と微生物のすべて」(ヒカルランド)、「シントロピーの法則」(地球環境共生ネットワーク)など。2019年8月に最新刊「日本の真髄」(文芸アカデミー)を上梓。2022年(令和4年)春の勲章・褒章において、瑞宝中綬章を受章した。

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