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EMの量子重ね効果的活用法

前号の後半に、量子重ね効果について述べましたが、この技術の活用は、ある意味では無限の可能性を持っていますので、改めて説明します。すなわち、EMの活用法を量子力学的にみると、量よりも質、質が同じなら使った回数によって、その成果が決まり、その回数のことを、私は量子重ね効果と称しています。基本的には「パイこね変換(Wikipedia参照)」のエネルギー系に通ずるものですが、要は何回丁寧に念を込めてEMを活用したかということになりますが、そのレベルが収穫物に記録されていることが明らかとなってきました。

結論的なことを言えば、整流炭等を使い、結界を張ってエネルギーフィールドを作り、EMの密度を高めると、その場は量子的にエネルギーを集約するようになります。量子の世界では、量ではなく次元、すなわち量子単位がどのように重ねられたかということでエネルギーの集約度が異なってきます。

パイこね変換(パイこねへんかん、英語: baker's transformation)とは、2次元の離散力学系の一種で、カオスを生み出す典型的な仕組みを抜き出した基礎的な系として知られる。名称は料理におけるパイの生地を引き延ばして折り畳む操作に因む。パイこね写像(パイこねしゃぞう、英語: baker's map)とも呼ばれる場合もある。
すなわち、押し潰しては折り畳むを繰り返すことによってなぜ生地が一様になっていくかについて、数理的な説明を与えている変換とも言える。
パイこね変換の原案は、エーベルハルト・ホップ(Eberhard Hopf)により1937年に考案された。ホップによると、元々の英語名称の"baker's transformation"は、1949年のジョン・フォン・ノイマンとの会話の中でノイマンが命名したものである。日本語への直訳では「パン屋変換」や「パン屋写像」となるが、「パン屋」や「パンこね」ではなく「パイこね」が日本語名称として慣習的に用いられている。
すなわち、10a当り1トンのEM活性液をエネルギーフィールド内に1回で全部施用した場合と、それを50回に分け施用した事例を実際に行ってみれば誰でも認識できることです。使われたEM活性液の量は同じでも、その使われ方によって大差が生じるのは、量子の重ね効果の差異といえます。そのエネルギーは、分割の際に次元が変わったエネルギーが何にでも変換される量子単位のエネルギーに置き換わったものとして理解できます。すなわち、「パイこね」の回数が多いと強い生地となり、次元の異なる品質が出来るのと共通しています。

前号で福島の菊池さんの米が量子の波動値が最も高かったと報告しましたが、その後、高知県の常石さんの米が届いたのでチェックしたところ、菊池さんの米よりも更に上位となったため、EM活用歴を送ってもらいました。

常石さんのEM栽培歴は長いとは言えませんが、今期から、私のアドバイスを受け、結界と海水EM活性液の活用に取組んでくれました。その概要は次の通りです。

水稲(コシヒカリ)栽培例 【高知県 常石氏】

2月下旬EM団子(10a当り約130個)を深さ30cm、2.5m間隔で埋設
2月下旬鶏糞散布(10a当り約225Kg)
3月上旬種子処理(EM活性液500倍に10日間浸漬)
3月下旬水田荒たたき
4月上旬水田代掻き
4月中旬田植(坪50株23cm間隔、苗は1株3〜5本程度)
4月下旬しかたなく、除草剤散布
5月上旬EM活性液投入(10a当り80〜100L)
5月中旬EM活性液投入(10a当り80〜100L)
5月下旬EM活性液投入(10a当り80〜100L)
6月上旬EM活性液投入(10a当り80〜100L)
6月下旬EM活性液投入(10a当り80〜100L)
7月上旬EM活性液投入(10a当り80〜100L)
7月中旬EM活性液投入(10a当り80〜100L)
8月中旬稲刈り

・EM活性液は10a当り約450〜500L投入。
・EM活性液は、海水(98):EM1(1):糖蜜(1)+EMセラミックスパウダー一握りを100Lタンクで混ぜた。7〜10日間培養。
・EM団子は、土15L:2型ボカシ3L:くんたん6L:発酵セラC80ml、海水EM活性液6L程度で作成。
・慣行法では10a当り8俵だが、上の方法で10俵以上でした。
・上の方法に対し、比嘉のアドバイスは後述の通り。
・5月上旬から7月中旬までのEM活性液投入を、葉面散布に変える。5倍に薄めたEM活性液を、10a当り100〜200L葉面散布、これを収穫直前・まで月に2回程度。
・収穫後、10月までに、10a当り、塩500Kgを表面に撒いて完全に除草する。1〜2週間後にEM活性液を10a当り100L散布。
・3月上旬に、10a当り塩250〜500Kgを散布。EM活性液は、塩を撒いて1〜2週間後に10a当り100L散布。これを行えば、鶏糞は10a当り100Kgに減らしても良い。
・EM活性液の質を更に高めるためには、培養タンクの四隅に結界シールを貼り、EMXゴールドを10,000分の1〜20,000分の1添加する。

収量はまわりの慣行法の10a当り8俵に対し、品質は最上で10俵以上(12俵となった区もある)となり、この栽培法は稲作革命といえるものです。この結果に対し、雑草対策と更なる増収に対する塩の使い方と葉面散布を追加するようにアドバイスしたのが下段の通りです。

結界を作っている場合の葉面散布


  写真@ 無人煙霧機「ハウススプレー」


  写真A サンシャインファーム トマトとコマツナ

一般に、葉面散布といえば農薬を散布するように作物全体に丁寧にかけると思われていますが、EMの場合は、その必要がなく、上から軽くかかっても十分な重ね効果があります(写真@)。

そのため、ハウスの場合は写真のような無人煙霧や細霧システムを使いますが、1日4〜5回以上もスプレーすることが出来れば更に効果的です。水田や畑地の場合は、大型の細霧スプレーヤーを使うと10a当り3〜5分で十分です。結界のレベルが高いと、30秒から1分くらいに短縮することも可能です。

写真Aは、結界を作り、塩を10a当り2トン施用した後、キュウリを栽培し(第122回)、その次に植栽されたトマトとコマツナです。1日3〜4回の自動スプレーヤーで葉面散布を行っています。株元のコマツナも立派に育ち、同時に、トマトもいままで経験したことがない安定的な姿となっています。

このようなEMの重ね効果の限界は明らかではありませんが、結界を強化すれば更に簡略化することも可能であり、将来的には散布機器も不要で、ジョロで片隅に散布するだけでも十分というレベルになり得るものです。


(2018年1月25日)



PROFILE
ひが・てるお/1941年沖縄県生まれ。EMの開発者。琉球大学名誉教授。国際EM技術センター長。アジア・太平洋自然農業ネットワーク会長、(公財)自然農法国際研究開発センター評議員、(公財)日本花の会評議員、NPO法人地球環境・共生ネットワーク理事長、農水省・国土交通省提唱「全国花のまちづくりコンクール」審査委員長(平成3年〜平成28年)。著書に「新・地球を救う大変革」「地球を救う大変革①②③」「甦る未来」(サンマーク出版)、「EM医学革命」「新世紀EM環境革命」(綜合ユニコム)、「微生物の農業利用と環境保全」(農文協)、「愛と微生物のすべて」(ヒカルランド)、「シントロピーの法則」(地球環境共生ネットワーク)など。2019年8月に最新刊「日本の真髄」(文芸アカデミー)を上梓。2022年(令和4年)春の勲章・褒章において、瑞宝中綬章を受章した。

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