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作物栽培における海水や塩の活用心得

前号ではEM技術による災害の予防について述べましたが、≪天草の海を珊瑚の海に≫、を目標に20年余に渡ってEMを積極的に地域全体に活用している杉本烈子さんから次のようなお便りをいただきました。すなわち、前回に述べた災害に対するEM効果の追認です。
彼女の手紙では、既に天草における究極のプランが見えており、天草のEMパラダイス化の現象化に王手をかけています。特に重要なことは、EM整流炭を活用したブラックコンクリート(整流ブロックのこと:通称ブラコン)による結界を作り、エネルギースポット化し、それに海水と海水で作ったEM活性液の活用です。
今後、多くの関係者がその成果を活用することになりますが、私のコメントを附してEM関係者の参考に活用して欲しいと考えています。以下、その内容です。



  <クリックで全文拡大>
比嘉照夫先生

今年は天草で1週間近く雪が降りました。が、有明町の雪はすぐにとけて、他所へ出掛けると大雪が残っていてびっくりしました。熊本の大地震の時はこれで終わるのではないかと思うほどのゆれでした。が、まな板が倒れただけで何事もなかったのです。
H10年頃、熊本県に台風が上陸し、屋根にはブルーシートがかぶっていて、ブルーシートが品不足になったことがありましたが、そのとき我家から有明地の須子地区迄ほとんど被害がなかったので、(もしかしたらEMが守ってくれたの??)とひそかに思ったことがあります。
今、改めてこれが整流結界現象ではないかと考えています。教えていただいた方法で整流を掛け、確かに何か不思議な感覚を感じましたので、これをもっときちんとしたものにしたいと考えました。ブラコンピースを作って、作物ごとに4本の支柱で整流をかける方法が誰にもできるやり方ではないかと思いました。
その為には、最高の資材でEMブラコンを作りたいと、手持ちのEMボカシ、海水活性液と鮫谷さんの整流炭の波動を測ってもらい、きちんとしたものを作りたいと考えました。
別紙波動測定の結果表を同封します。
山下さんのアドバイスで、土もよいものを使ったほうがいいとのことで、土も心当たりがあるので、本当にいいものができると思っています。

天草の土は、川原の様に石がゴロゴロ出て来ますし、赤土もありますが、海岸の砂地の様な土がほとんどです。阿蘇や菊地の土と全然違っています。
天草=天の草=神様の野菜=無農薬の野菜と考えました。
天草の海の恵みに感謝して、海水を利用して無農薬の農業が実現できたら、少しは天草の人のお役に立てるかと思っています。キャベツを抜いたあとの土がとても気持ちよかったので、そのまま大根の種を入れてみました。この時期の大根は出芽迄かなり時間がかかるのですが、気が付いたら数日できれいに出芽していました。
今年は、改めてEM農業を学びたいと勉強会を計画しています。
EM生活の岩瀬さんにEM農業の基礎応用で2日間の講師をお願いしました。
昨年、沖縄研修に参加された山川常春さんから、正式にみかん畑に整流を掛けたいと相談がありました。
3/14、15にEM生活の岩瀬さんをEM農業勉強会の講師にお願いし、帰る日の時間を利用して、現地を見てもらい、計画図を作ってもらって今届きました。
よりよいもので成功させたいので、ブラコンが出来てから、1つずつをしっかり進めようと考えています。
約2町歩のみかん専業農家で畑も何ヶ所もありましたが、とりあえず2ヶ所で試してみますので、シールをいただきたくお願いします。
昨年いただいた分から4枚は、山川さんに渡しているのですが、出来れば1本の木に1本のペットボトルもやってみたいと思っています。私がイチジクで試したものは、カラスが害しなくなりましたので、電池を張ったペットボトルを樹に縛ってみようと考えている処です。
よろしくご指導をお願いします。

< 海水EM活性液の実験 >

海水EM活性液がおもしろいので2つの実験をしました。
@肥料になるか(白菜の実験)
  • 同じ苗を同じ日に植えました。
  • 海水EM活性液1000倍で試しましたが、特別な効果はわかりません。
  • 50倍液でジョロでかけてみました
  • 枯れないので4回散布しました。
  • 白菜には50倍液ではっきり効果がわかりました。


A虫等の対策になるか(キャベツの実験)
  • いつも以上に虫が多く、2〜3日、見に行けなかったキャベツはレース状になっていました。
  • ダメでもともとと思い、原液をジョロで上からたっぷりかけてみました。
  • 枯れないので、様子をみながら数回原液でかけていると、中から巻いてきました。
  • このキャベツの波動を山下浩さんに測ってもらった処+15でした。
  • 海水EM活性液の使い方、濃度等、まだ充分理解できないことがありますので、情報等いただければ幸いです。
私の今迄の体験では、
  • キューリに使った時、花芽迄沢山出来たのですが、実りませんでした。
  • 知力不足かもしれません。
  • グリンピースがダメになったので、もしかしたら海水EM活性液に生ごみをつけて、埋めた処の土がまだ早かったかもしれません。
  • スナップエンドウにかけたのですが、白くなって元気にはなりませんでした。
  • キューリや豆には、今までの活性液の方が(最初は)効果が大きいように思っている処です。
  • キャベツ・白菜・ダイコンにはといも効果がある様に思います。


若いお母さんが1坪の畑に家族のための野菜を作って草や生ごみを土にもどし、そのエネルギーを食べることをイメージしています。
ありがとうございます。


< 波動測定結果 / 免疫 >   LFA測定者 山下浩
      1. 鮫谷さんのダンゴ+15
      2. 鮫谷さんの整流炭+17
      3. 杉本のEMボカシ+18
      4. 杉本の海水EM活性液+18
      5. 杉本の米 米の免疫+14
      6. 杉本の米3B5B(米)+16
      7. 杉本のキャベツ+15
      8. 光ちゃん焼いも+9
      9. EM-X Gold+20
      10. 市販の米−3〜+7
      11. 市販の野菜−6〜+6
      12. 風邪薬


私のコメントの主旨は、従来の農業の方法に、海水や塩を上手に使うEM農法ではなく、EMと塩と炭と整流シールを使い、不耕起、無除草、無農薬、無肥料、多収・高品質で、畑全体がイヤシロ地になり、畑そのものを環境浄化の源泉にするということが前提です。

【下記は私から杉本さんへのコメント】
エコピュアやDND連載記事で、塩の量の情報をよく読んでください。
エコピュア連載第120回で紹介したように、豆類は、塩に特に弱いので、普通の半分〜3分の1が目安です。

<作物の耐塩性>
(農林水産省:作物の耐塩性、作物別好適生育pH範囲植物必須元素一覧、作物別養分吸収量より抜粋)
耐塩性EC目安
(mS/cm)
作物名
強い1.5以上大麦、ホウレンソウ、ハクサイ、アスパラガス、ダイコン、ナタネ、シュガービート
0.8〜1.5キャベツ、ブロッコリー、ネギ、ニンジン、サツマイモ、トマト、カボチャ、ナス、トウガラシ、ブドウ、オリーブ、トウモロコシ、ソルガム、ライ麦、小麦、ヒマワリ
やや弱い0.4から0.8イチゴ、タマネギ、レタス、リンゴ、ナシ、モモ、オレンジ、レモン、プラム、アンズ
弱い0.4以下キュウリ、ソラマメ、インゲン

根が横に張らない根菜やハクサイ、キャベツ等は今回の要領で良いですが、考え方が根本的に間違っています。
詳しくは、エコピュア連載第117回〜第121回、第124回、DND連載第117回〜第120回を参考にしてください。
海水は何もしないと除草剤と同じです(DND連載第117回参照)。
EMを100〜200倍になるように混和して使う場合は、10〜20倍で著効あり。豆類は20倍。

  1. 当初に海水を繰り返し散布して、雑草をすべて枯らします。海水漬けにする。
  2. 10a当り10トンでも可。
  3. その後にEM海水活性液を10a当り500〜1000L散布。
  4. 2週間後に定植。種を播く場合は、降雨後、または十分に潅水する。
  5. 畑に結界を作ると、その後は海水の活性液を100倍にして、全体がある程度濡れるようにジョロ等で散布する。10a当り30〜50L。これを毎日繰り返すと、その回数分だけ良くなります。
  6. 雑草が出た場合は、塩を頂部にひとつまみおく。
  7. 生ごみは海水にEMを500倍くらい添加したものに1〜2日浸した後に使います。堆肥化不要、EMボカシ不要です。
  8. 整流シールは実験用には提供しますが、専業農家の皆さんはU-ネットに加入することが前提条件です(恩恵を受けた人は必ず社会に返してください)。

海水にEMを1000倍くらい添加し、濃度障害が起こらないように薄く、回数多く施用すれば、塩の量と収量や品質は極めて高い相関が得られます。


(2018年4月3日)



PROFILE
ひが・てるお/1941年沖縄県生まれ。EMの開発者。琉球大学名誉教授。国際EM技術センター長。アジア・太平洋自然農業ネットワーク会長、(公財)自然農法国際研究開発センター評議員、(公財)日本花の会評議員、NPO法人地球環境・共生ネットワーク理事長、農水省・国土交通省提唱「全国花のまちづくりコンクール」審査委員長(平成3年〜平成28年)。著書に「新・地球を救う大変革」「地球を救う大変革①②③」「甦る未来」(サンマーク出版)、「EM医学革命」「新世紀EM環境革命」(綜合ユニコム)、「微生物の農業利用と環境保全」(農文協)、「愛と微生物のすべて」(ヒカルランド)、「シントロピーの法則」(地球環境共生ネットワーク)など。2019年8月に最新刊「日本の真髄」(文芸アカデミー)を上梓。2022年(令和4年)春の勲章・褒章において、瑞宝中綬章を受章した。

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