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人生の第3ラウンドを迎えて

人生の第1ラウンドは「青雲の志」で学ぶ学生時代、第2ラウンドは社会人として心身ともに社会を支える大人の時代、そして定年後の人生を締めくくる時期を第3ラウンドと見なすことができます。

私も気がついてみるとEM情報誌の「エコピュア」が電子情報誌(Webマガジン)に変わる間に待ちに待った人生の第3ラウンドを迎えることになりました。

小学校5年生の時にこの世で最も尊い仕事は農業であると考え、将来は農業をするか農業の指導者になろうと決心して以来、農業のためならどんな苦労もいとわないという覚悟で、すべてに本気で取り組んできました。

その結果、EMが生まれた訳ですが、琉球大学在職中は可能な限り1人でも多くの学生を受け入れ、100%就職させ、卒業後のフォローアップも続けてきました。その学生たちの中には沖縄県の農林水産部長になった者をはじめ、県内の農林高校を含め幅広い分野で活躍しており、まさに教師冥利に尽きる思いです。

ひどいEMバッシングがあったとはいえ、今やEMは日本はもとより世界に広がり、大躍進と言っても過言ではなく、当初の公約通り、人類の世紀的な課題の解決に必要不可欠なものとして評価されるようになってきました。したがって、第2ラウンドもメデタシメデタシということになりますが、当初、私が考えた沖縄農業の未来像にはほど遠く、その実現を第3ラウンドに持ち越すことになってしまいました。

再び「農は国の基なるぞ」

3月31日に琉球大学を退官した私に、願ってもないチャンスが与えられました。4月1日付で、私の出身地で沖縄の北部地域の振興を目的に創設された、名護市にある名桜(めいおう)大学の教授となり、国際EM技術研究所所長に就任しました。これまで通りのEM活動はもとより、沖縄の北部地域を中心に沖縄全体の産業振興とウェルネスアイランド構想を実現することになりました。

琉球大学時代は専門の領域に縛られて、全面的にEMを押し出すことにいろいろな遠慮もありましたが、これからは思い切って取り組めるようになり、具体的活動に着手しています。

まずは1年半前にスタートした、私のEMモデル農園の一般公開です。今ではバナナが70~80株もたわわに実り、野菜も花も生き生きとしています。

経済効果は10a当たり200~300万円。本気でやれば、それ以上になる見本が出来上がっています。肥料は生ごみ、紙、各種の有機廃棄物で、無農薬で安全で快適、低コスト、高品質の見本となっています。

第2弾は、沖縄全地域にEMのモデル農家を育成することにしています。すでに30余の人々が希望しており、年内には100余のメンバーにする計画です。私は琉球大学就任当時、沖縄農業5000億円説を打ち上げ、農業を技術集約型にすべきという主張を繰り返し述べてきましたが、現在は1000億円前後で足踏みしています。この可能性を現実のものにしようと考えています。

第3弾は、3年後をメドに名桜大学に国際EM技術学部をつくり、EM技術のさらなる発展とEM技術の専門家を養成することになっています。現在でも名桜大学ではEM関連の講義が3科目あり、どの学部に所属していてもEM技術に関し6単位の単位が取れるようになっております。また、EMクラブに加入すれば間違いなくEMの専門家として通用する道が開かれています。

沖縄の自立は極めて困難と言われていますが、EM技術で集約化すればそれほど困難なことではなく、農業で現在の5倍の5000億円を達成できれば、全国一豊かで住みよい県になれると思っています。常識的には農業生産を現在の1.5倍にするのも不可能と言われていますが、第3ラウンドの目標にしたいと考えています。(毎月1日更新)

PROFILE
ひが・てるお/1941年沖縄県生まれ。EMの開発者。琉球大学名誉教授。国際EM技術センター長。アジア・太平洋自然農業ネットワーク会長、(公財)自然農法国際研究開発センター評議員、(公財)日本花の会評議員、NPO法人地球環境・共生ネットワーク理事長、農水省・国土交通省提唱「全国花のまちづくりコンクール」審査委員長(平成3年〜平成28年)。著書に「新・地球を救う大変革」「地球を救う大変革①②③」「甦る未来」(サンマーク出版)、「EM医学革命」「新世紀EM環境革命」(綜合ユニコム)、「微生物の農業利用と環境保全」(農文協)、「愛と微生物のすべて」(ヒカルランド)、「シントロピーの法則」(地球環境共生ネットワーク)など。2019年8月に最新刊「日本の真髄」(文芸アカデミー)を上梓。2022年(令和4年)春の勲章・褒章において、瑞宝中綬章を受章した。

約450坪の荒れ地でバナナや野菜栽培を1人で行っている。まったく耕さず、従来の常識にとらわれずEMを思い切り使うことで、ひどい場所でも立派な生産緑地に変わることを実証している

約450坪の荒れ地でバナナや野菜栽培を1人で行っている。まったく耕さず、従来の常識にとらわれずEMを思い切り使うことで、ひどい場所でも立派な生産緑地に変わることを実証している

比嘉教授農園では、農園視察も受け入れている
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平成6年に開学した名桜大学
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比嘉教授は、名桜大学の名にちなんでキャンパス内に河津桜とヒマラヤ桜を180本植樹
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