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EMによる災害に対する危機管理

極端な集中豪雨や干ばつ、記録的な猛暑、気象の大変動による災害が多発するようになりました。地球の温暖化が進み、海面や地表面からの水分の蒸発が課題になったために、その結果としてさまざまな変動が起こっていると考えるべきです。

20年以上も前のことですが、名古屋での講演会の際に、地球温暖化によって多くの陸地が水没するのではないかという質問に対し、私は「気温が上がると、それに対応して地球全体の水分の蒸発が多くなるため、そのようなことは起こらないと言えますが、その代わりに、世界中で大雨が降ることになります。雲が多くなると、結果的に気温が下がりますが、それも雲行き次第で猛暑、極寒となり、気象災害が多発することになります」と答えたことがあります。

数千年単位でみれば、現今の地球で起こっている異常気象や地震、その他の諸々の自然災害も、原因と結果の法則に従ってその毎々に起こっているものですが、人口の増大と経済戦争や競争原理による不要な消耗がその変動を助長しています。

かつての50%あまりも緑を失った地球は荒れ狂いやすくなり、加えて膨大なエネルギーの過剰な消費という問題と、化学物質による環境の汚染と、生態系や生物多様性の破壊の問題が拍車をかけています。この問題は構造的なもので、従来の技術の延長上には解決策はありません。

梅雨の後半に発生した集中豪雨による洪水や農作物被害に対し、EMはさまざまな面で活用され、それなりに役割を果たしていますが、現在のレベルでは「EMがあったから便利で助かった」という程度のものでしかありません。

EMの活用の本質はシントロピー(蘇生)現象の強化と持続であることは改めて述べるまでもありませんが、広い意味で、現在多発している自然災害は、自然界におけるエントロピー(崩壊)の増大と言えます。極めて短絡的な結論ですが、EMによって地球のエントロピーを低下させ、シントロピー力を強化すれば、荒れ狂う自然から、穏やかな自然に変えることも可能ということになります。

EMが万能とは言え、いくらなんでもこんな主張はとんでもないとか、比嘉はとうとう宗教的になったとの批判もあえて承知の上で、全地球でEMを空気や水のごとく使うEM生活や、すべての生産活動にEM技術を応用すれば、現今の自然災害を最小限にし、人類の抱えるほとんどの難問をすべて解決できると言い続けているのです。

前回紹介した東京湾の奇跡については、DNDの第73回でさらに詳しく述べましたが、私は海がキレイで豊かになっただけではないと考えています。ていねいに調査すればわかることですが、東京湾で起こる海難事故や水の事故などもかなり減少しているのではないかという側面もチェックする必要があります。

シントロピー現象の感知力トレーニングの必要性

デジタル社会(すべて数値化して表現する)においては感知するということは非科学的であり、原始的ということになってしまいます。ルールが決まっている仕事の場合は確かにそのとおりですが、健康で楽しく幸福な人生を創造するという前提条件に立てば、デジタルの隙間を埋める感知力次第ということになります。

その代表格は「医学データに基づく健康指導を真面目に実行すると病気がさらに悪化し、早死する」「理論通りにしたら失敗した」「経済学の数値重視の経営をしたら優良会社が倒産した」などなどの理論重視の笑えない話が巷間(こうかん)に氾濫しています。

いずれもデジタル重視、アナログ無視の喜劇としかいいようがありません。すべてのトレーニングはおのおのの立ち位置(立脚点)があり、それが正しければ自然と創造的になり、デジタルでは想像もつかない展開が可能となってきます。

その第1が本物であることです。
自然の理は本物だけが残るようになっています。その原則は自己矛盾を生まないか、または自己矛盾を進化的に解決する力を持っています。簡単に言えば、いいことばかりあって悪いことはなく、続ければ続けるほどさらによくなる。すなわち善循環的性質や構造を持っているものが本物ということになります。

このようなチェックポイントで現在の科学技術や社会の仕組みを見ると、本物は例外的な存在に過ぎません。なぜならば、現今のすべての仕組みは、お金と権力を指標とした競争の原理に立脚しているからです。

お金になるなら不完全技術も平気で使う、この風潮は原子力発電や大半の化学物質加工食品、遺伝子組み換え、先端医学の大半、工業通信分野における電磁波障害、医薬、農薬などなどで、上げればきりがなく、すべてが社会の構造の中に組み込まれて必要悪的存在になっています。必要悪も悪の本質を持っていることを忘れてはなりません。

その第2がすべて自己責任であること。
この原則に徹すると人間は自分で自分を賢くし、確たる勇気が育つようになり、おのおのの人生の使命感や正義感や責任感が明確に意識できるようになります。

その第3が自分の存在が社会にとって何らかの役に立っているという意識の向上です。
自己矛盾だらけの現今の社会では、このような存在になるのは容易なことではありません。良心と社会の価値観や構造的矛盾とのギャップ、すなわち、二重規範に悩まされる人生となってしまいます。

いつもお話ししているとおり、上記の3点はEMを生活化し、EMの力を極めることですべて達成できると言っても過言ではありません。とは言ってもEMを単なる便利な商品と思っている間は、感知力のトレーニングには何の役にも立ちません。

EMのシントロピー(蘇生)現象の感知力の増強法

その基本は、EMの持つ抗酸化作用、非イオン化作用、有害なエネルギーを触媒的な力で有用なエネルギーに変えるというEMの蘇生の力(本物力)を明確に意識し、その効果を生涯にわたって積み上げ続ける楽しみ力を育てることです。そのためには何かいいことや、危険から身が守られたり、最悪な状況が、逆に力となって最善の結果が現れた場合、それらはすべてEMのおかげであると考えることがスタートです。すなわちEMは神様だと考えることです。

1.EM製品を身に着けていたので交通事故に遭っても大事に至らなかった。
2.EM生活をしていると大きな地震が来てもコップ一つも倒れなかった。
3.EM生活をしていると電磁波障害が減り、電気料金も安くなり、電機製品の機能が高まり寿命も長くなった。
4.EMを使い続けている農場やゴルフ場の落雷が極端に少なくなった。
5.EM栽培に徹していると自然災害が極端に少なくなった。
6.EM生活を続けていると、いつの間にか健康になり人間関係もよくなった。
7.EMを使い続けている場所は事故が少なく安全である。
8.学校のイジメがなくなり、みんな仲良くなった。
9.動物がすべて仲良くなった。
10.すべてのものに生命の息吹が感じられるようになった。
11.EMで建築した家に住むようになり、EM生活を実行したら病人がいなくなった。
12.年々体の調子がよくなり、頭もよくなった。
13.EMの本や情報を繰り返しチェックし確認する。
14.いろいろな事が起こっても、最終的には望んだ方向や最善の結果となる。
その他なんでも、いいことはEMのおかげにし、悪いことが起こった場合は、EMの極め方が足りなかったという視点を持つようにして、各自のEM力を常に強化することです。

再びマイクロバイオームの重要性について

自然界に起こる現象は、すべて自然界のマイクロバイオーム(微生物叢[相])に支配されていることは、これまで何回となく説明しましたが、前回述べた東京湾の奇跡も、人間が病気になるのも健康を維持することも、すべてマイクロバイオーム次第ということになります。当然のことながら、かつての地球の緑の半分以上を消失させ、自然を破壊し続ければ、結果としてマイクロバイオームも酸化的破壊的な微生物相となります。その結果はエントロピーを増大させ、すべてを崩壊させるプロセスに誘導してしまいます。すなわち強烈な酸化現象が起こり、同時にイオン化現象が強化されて反応が起き、有害な電磁波や放射線などを増大し、ネガティブなエネルギーの場を強化するからです。

人口が70億からさらに加速する現象を考えると、かつての緑の機能の代替案としては人工的にマイクロバイオームを蘇生型に変える以外に選択肢はありません。EMは使い続けると必ずマイクロバイオームを蘇生型にすることができます、そのためには人間が意識しつつEMが増えるライフスタイルを構築する「EM生活」は必要不可欠なものです。

すなわち、EMが常に優勢となるように人間の手助けが必要だということです。酸素が多いこの地球では、酸化を促進する微生物が常に優勢になるような状況にあり、光合成細菌や乳酸菌や酵母などEMを構成する抗酸化微生物は少数派であり、人間の手助けなしに多数派になることは不可能です。

地球上がEMだらけになると困るという意見もありますが、EMは人間が管理し増え続けるような仕組みになった場合に機能してくれますが、使わなくなると、たちまちにして少数派に逆戻りです。このようなEMの性質を考えれば、人間がいくらEMを増やし使い続けても、地球上がEMだらけになることはありません。

自然災害のすべては、アンバランス、すなわちエネルギーの極端な偏りに端を発していますが、その根は酸化、イオン化、有害エネルギーの増大と連動しています。従って、その逆の性質を持つEMで地球全体のマイクロバイオームをEM的にすると、その驚異は最小限に抑えられるものと考えており、要はEMの社会化のレベル次第といえます。

(2013年8月9日)
PROFILE
ひが・てるお/1941年沖縄県生まれ。EMの開発者。琉球大学名誉教授。国際EM技術センター長。アジア・太平洋自然農業ネットワーク会長、(公財)自然農法国際研究開発センター評議員、(公財)日本花の会評議員、NPO法人地球環境・共生ネットワーク理事長、農水省・国土交通省提唱「全国花のまちづくりコンクール」審査委員長(平成3年〜平成28年)。著書に「新・地球を救う大変革」「地球を救う大変革①②③」「甦る未来」(サンマーク出版)、「EM医学革命」「新世紀EM環境革命」(綜合ユニコム)、「微生物の農業利用と環境保全」(農文協)、「愛と微生物のすべて」(ヒカルランド)、「シントロピーの法則」(地球環境共生ネットワーク)など。2019年8月に最新刊「日本の真髄」(文芸アカデミー)を上梓。2022年(令和4年)春の勲章・褒章において、瑞宝中綬章を受章した。


生活のさまざまな場所でEMを

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

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