環境
私たちの海にアサリを!村瀬 忍(愛媛県)
食品リサイクルとまちづくり北村 栄(石川県)
環境と人間の行動大田雅弘(兵庫県)
福祉施設から地域へ広げるEM環境活動雲石和仁(島根県)
 
菜園
EMがみちびく自給菜園の環樋口正夫(福井県)

従来まで独立していた環境と自給菜園の分科会が、今回は合同分科会となった。環境分野、自給菜園分野の冒頭では、過去12回の大会で発表されたそれぞれの事例が総括され、さらに環境・自給菜園それぞれがステップアップするための提案があった。

環境分野の提案「環境浄化の取り組み~活動から学び・活かす」では、昨年度のノーベル平和賞を受賞したアメリカの元副大統領アル・ゴア氏の著書「不都合な真実」が地球温暖化防止で紹介した「生ごみを捨てると二酸化炭素の23倍も温暖化を進めるが、堆肥にするとエネルギーと食べ物を土壌に返すことができる」に触れ、EM生ごみ発酵肥料をつくることは温室効果ガスを削減すると訴えた。さらに、生ごみリサイクルや水質浄化に活躍するEM技術を駆使して、「環境浄化―できることから始めよう」と呼びかけた。

自給菜園分野の提案「EMを活かした菜園づくり~自給菜園の栽培技術8年~」では、「暮らしの中に菜園が根づくことは、自然との一体性を高め、人間本来の生き方への回帰で、21世紀型ライフスタイルの提案となる」とまとめた。

水質浄化の事例発表をした村瀬さんは、島内の婦人会、自治会、教育機関を挙げて取り組んでいる海の再生活動を披露。取り組みから2年後、念願のアサリやハクセンシオマネキが帰ってきて、アマモの再生も確認された。継続のポイントは、情報を共有することで、NPO法人ゆげ・夢ランドの会が発行する通信は地域の回覧板を通して全島に開示している。

生ごみ処理の分野では、資源循環型社会の構築をめざす資源エコロジーリサイクル事業協同組合事務局長の北村さんが、①「異業種間連携」(産学官+市民活動)、②「事業性」(経済性を念頭におく)、③「社会性」(市民団体との相互理解、地域性)をうまく連動させることがリサイクル事業のポイントになると提示。特に、事業はボランティア活動ではないので経済性を念頭に置き、堆肥の安全性・有効性を確立し、信用を得ることが大事だと強調した。

環境教育の分野では、川西市教育委員会の大田さんが、教育委員会主導で実施している市内全幼稚園・小・中学校のEMを活用したトイレ清掃を通して、子どもたちの行動の変化などを考察した結果を報告。「気持ちの良い環境は、人間の行動にも良い影響を与える」と評価した。ちなみに、トイレ清掃に係る経費では、平成18年度実績でEM導入前(薬品、化学洗浄委託料等含む)とEM導入後では年間約180万円削減できた。

福祉分野では知的障害者通所授産施設「ひまわり」の雲石さんが発表。自立支援法が制定されたことで、福祉施設は障害者の「就労」「自立」を支援する事業所として移行する見通し。そのような状況の中、「ひまわりでは」積極的に地域に繰り出した経済活動を行っている。まず、EMを活用したプール清掃を市内の小中学校に提案し、現在10校で実施。さらに公園のトイレ清掃を市から委託され、市内5か所の公園で実施している。また、利用者が無農薬栽培するダイコンやニンジン、シイタケでつくる切り干しダイコンは、地元の人気商品になっている。

自給菜園の分野で報告をした樋口さんは、2002年の環境分科会で「エコクリーントイレ」と題して、当時勤めていた若狭松下電器㈱におけるトイレを始めとする社内清掃活動の成果を発表した経緯がある。その後、自給菜園「あおぎり」に取り組み、10年前から不耕起栽培に挑戦して数々の収穫記録を生み出している。「あおぎり」の土壌について(財)自然農法国際研究開発センター研究部の石綿さんは、「小石が多く、痩せた土でミネラルバランスも悪かったが、腐植が増えて保肥力が高まり、マグネシウムやカリウムも付加されてきてバランスが良くなっている」と分析した。うね間を利用した春野菜と根菜類の連続栽培や、畝間を活用した土づくりなど、「あおぎり」の軌跡は必見。EM活用技術事例集2008年を是非参照してほしい。


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