
前回に引き続き、中南米でのEM普及の拠点、EARTH大学のあるコスタリカのEM活用事例です。
大規模肥育農場が選んだ“循環”──ガナデリア・コロノ・レアル社の現場から
コスタリカのガナデリア・コロノ・レアル社の肥育場では、2,000〜2,200頭(主にグレー・ブラーマン種)を飼育。
ここでは約6年間(2024年時点)にわたりEM技術を運用し、臭気抑制と糞尿資源の循環利用に取り組んでいます。
悪臭を抑えて飼育環境を清潔に保ちながら、家畜ふん尿を有機肥料として生かす、という、持続可能な畜産にEMを役立てています。

しかし、この農場では、動物の栄養や健康に影響を及ぼす強いアンモニア臭の発生、ハエなどの衛生害虫の増殖、そして糞尿の適切な管理など、畜産現場ならではの課題を複数抱えていました。

においを止め、資源に変える、EMによる悪臭対策と堆肥づくり
こうした課題に対し、農場ではEM活性液を悪臭の抑制と有機堆肥の製造に活用しています。飼育場は全体で64の区画に分かれており、毎週月曜と木曜、1区画(約300平方メートル)あたり約18リットルのEM活性液を散布することで、アンモニア臭を抑えています。

また、毎日回収される約120トンのふん尿は、コンポスト施設で堆肥化されます。EM活性液を散布しながら2台分のおがくずと混ぜ合わせ、堆肥化プラントで積み上げていきます。この工程でも再びEM活性液を使用し、専用の機械で1日2回切り返しを行います。EM活性液は約40%に希釈して用い、天候にもよりますが、おおよそ30〜35日間で良質な堆肥へと発酵させています。

見えてきた成果─臭気の後退、発酵の加速、週400トンの資源化

こうした取り組みにより、飼育場全体で悪臭とハエなどの害虫は大幅に減少しました。堆肥の製造プロセスも、従来2〜3か月を要していたものが約5週間へと大幅に短縮され、作業効率が格段に向上しています。さらに、EMを活用した高品質な有機堆肥は有機認証を取得し、週あたり約400トンの安定生産を実現。悪臭対策、作業効率の改善、資源循環という三つの課題を同時に解決する、持続可能な畜産現場へと生まれ変わりました。

(出典:「持続可能な循環型畜産システム|EM GROUP JAPAN」)
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