Ecopureライターおすすめ本

地球再生型生活記 ー土を作り、いのちを巡らす、パーマカルチャーライフデザインー

パーマカルチャーデザイナーとして実績のある著者の地球再生型生活記は、「いのちとは何か」という問いから始まる。いのちを連綿と受け継いできた人間が生きていくためになぜ自然を汚染しなくてはならなかったか?生きることが即地球再生になるにはどうしたらいいか?そんな疑問を地球の誕生から紐解く。

家族と共に山梨県北斗市に移住し、雑木林の開拓や竹林開墾などをしながら、パーマカルチャーの原理に迫る。このあたりは、専門的だが知的好奇心のある人には十分に読みごたえがある。さらに土づくり、農園のデザイン、水の浄化法、エネルギーや資源の活用などの実践編は実に合理的でなるほどと納得させられる。

草木が生えることが土を作ることにつながっているように、自然界は、すべての生きものたち、が生きることで環境を豊かにし維持している。同じように社会における持続可能性の仕組み作りは、そこに住んでいる人がただ生活するだけで環境が良くなるような仕組みをデザインすることこそが究極の姿だと結論づけている。その仕組みの要は、EMをはじめとする微生物であることはいうまでもない。

人間が生活するだけで環境が豊かになっていく。それは私たちが意識して実践していけばできると教えてくれる良書。

パーマカルチャーデザイナー・・・人と自然が共存する社会をつくるためのデザイン手法。パーマネント(永続性)、農業(アグリカルチャー)、文化(カルチャー)を組み合わせた造語で、それぞれが持続可能な社会システムをデザインしていく考え方。

<著者 instagram ID>  @yotsuishinji_permaculture

(文責:小野田)


地球再生型生活記 ー土を作り、いのちを巡らす、パーマカルチャーライフデザインー
四井真治(よつい・しんじ)

出版社 ‏ : アノニマ・スタジオ (2023/10/6)
発売日 ‏ : ‎ 2023/10/6
言語 ‏ : ‎ 日本語
単行本 ‏ : ‎ 272ページ
ISBN-10 ‏ : ‎ 4877588523
ISBN-13 ‏ : ‎ 978-4877588526
定価 ‏ : ‎ 1,540円(本体1,400円+税)

【目次】

第1章 人は地球のがん細胞なのか?
地球は巨大な生命体 ガイア理論
ウイルスは地球の免疫細胞
大量絶滅は進化のきっかけ
環境を壊すのではなく、豊かにする人の暮らし
 
第2章 持続可能な暮らし【生活実験と考察編】
パーマカルチャーとは
原理を理解し、発展させる
パーマカルチャーとの出会い
山村の古民家でパーマカルチャー的生活実験
家族とともに新天地、八ヶ岳南麓へ
社会の最小単位「家族」として
生活技術が生む美しい風景、石積み
雑木林開墾からの気付き/土の生産性
森林と草原の違い/植生遷移
人類の進化と植生遷移のコントロール
森や里山の活用が土壌を守る
水と土作りが教えてくれた人間本来の役割
竹林開墾からの気付き/竹の活用法
日本のパーマカルチャーの可能性
温室効果ガスを削減する農業へ
理によって生み出される
 
[資料] 暮らしの循環図
コラム 縁が繋いでくれる現場
 
第3章 持続可能な暮らしの仕組み【実践編】
土を作る 〈土の素、堆肥作り/コンポストや堆肥小屋の役割/堆肥は臭くない〉
農園をデザインする 〈半不耕起半草生栽培/等高線に沿った畑のデザイン(コンターガーデン)/互いに助け合うコンパニオンプランツ/農園における果樹の役割/生物多様性を実現する工夫〉
水を巡らす 〈バイオジオフィルターで生活排水を浄化/雨水を無駄なく利用する/アクアポニックスで野菜を育む/自家製の液肥作り〉
エネルギー&資源を活用する 〈太陽熱と光の恩恵を取り入れる/竹害ではなく、〝竹恵〟な暮らし方/畑の恵みを暮らしに活かす〉
道具をあつかう 〈古道具は暮らしの教科書/農業機械はリーズナブルに活用〉
 
第4章 いのちとは 40億年続く仕組み
いのちは集め、蓄えるもの
自己組織化から続く仕組み
続く仕組みの「いのち」から「生命」へ
生物多様性が意味するもの
コミュニティーと、未来の暮らし
地球再生型の暮らしへ

<購入はこちら>