EM柴田農園の50から畑人 | 柴田和明・知子

第10回  EM柴田農園直伝 猛暑も長雨も耐え抜くトマトづくり ~このトマトを見れば納得! EM栽培のすごさ!!

7月6日から始まったトマトの収穫は3か月を過ぎました。我が家の食卓では今なお真っ赤なトマトが毎日の食卓を彩ってくれています。
トマトの苦手な梅雨も夏の猛暑も、そして秋の長雨にも耐えて頑張って、ご覧のように元気にたくさんの実を着けています。
無農薬で、そして化学肥料を使わなくても、たわわに実っているのです。

トマトの身長(伸長)は4mを超えました。まだまだ収穫は続きます
トマトの身長(伸長)は4mを超えました。まだまだ収穫は続きます

ハウスで長期間栽培するコツ

トマト栽培についてはこれまで第5回第6回第7回でお伝えしてきましたが、今回はパイプハウスで長期間栽培できるコツを説明したいと思います。

まずは4か月前を振り返ります。
今年は6月5日から灌水と追肥を始めました。
灌水は、6月5日からは1日おきに、梅雨明け後は毎朝、苗1本に対し2リットルぐらい。
追肥は約2週間に1回のペースで塩とEMボカシを9月末まで行いました。10月以降は追肥をしません。
灌水も1日おきにします。
このトマトハウスでは100㎡(1アール)に対して6月~9月まで、合計塩110kg、EMボカシ70kg使いました。
肥料として投入したのはこれだけです。

【重要なのは日々の管理】
  • わき芽は小さいうちにとるようにしています
  • 花房を通路側に向けて小まめに誘引します
  • 収穫が終わった花房の下の葉は必要ないのですべて取ります

 

【低いパイプハウスで長期間栽培するコツ】

トマトの専業農家は、専用の天井が高い大型のハウスで栽培します。
しかし工夫をすればパイプハウスでも長期間栽培できるのです。
それには、誘引方法に秘密があります。
まず、長さを確保するために斜めに誘引しますが、それでも7月上旬には天井近くまで達してしまいます。
その頃にちょうど収穫が始まります。
上記の日々の管理でお伝えしました通り、収穫が終わった花房の下の葉は必要ないので次々と取り除きます。
葉を取り除くことでスペースができるので、仕立て全体を下ろします。
この繰り返しをすることで長期間栽培が可能になるのです。
この仕立て方法は第5回で詳しく説明しています。

仕立て全体を下ろすことが出来るのは、定植時に誘引用のヒモをバーに巻き付けておくからです
仕立て全体を下ろすことが出来るのは、定植時に誘引用のヒモをバーに巻き付けておくからです
2021年10月8日現在、第10~第11花房を収穫中で、第16~第17花房の花が咲いているところです
2021年10月8日現在、第10~第11花房を収穫中で、第16~第17花房の花が咲いているところです

10月上旬から始める摘芯について

トマトは花が咲いてから収穫までに約2ヶ月間かかるので、10月に入って咲いた花は12月にならないと収穫できません。私の住んでいる栃木県北部は、毎年11月中旬から下旬に霜が降り栽培が終了してしまいます。ですから10月以降に着果したものは収穫できません。
普通はこれ以上実を着けても収穫に至らないというタイミングで摘芯(最先端の芽を摘むこと)しますが、私の場合は摘芯しないで、花房だけ取り除きます。
摘芯する理由は、上に成長するために必要な養分を果実に持っていくためといわれますが、逆に球(トマト)が割れたりすることがあるため、私は最後まで摘芯しません。

一般的に摘芯とはこの部分をカットすること
一般的に摘芯とはこの部分をカットすること

無農薬でどうしてこんなに長期間栽培できるのか、とよく聞かれます。
もちろん春の土づくりも重要ですが、できる限り朝と夕のEM散布(50倍希釈液)を心がけているからです。
病害虫に弱いトマトを長期間にわたって無農薬で栽培できるのはEMがあるからと言って過言ではないかもしれません。
次回第11回は生ごみを使った土づくりについてご紹介します。

(2021年10月28日)

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