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東日本大震災の当面の対応

超巨大地震の発生から50日あまりが経過しました。多数のEMボランティアの協力により、EMは避難所をはじめ、被災地の衛生対策に幅広く活用されるようになりました。今では要請があれば、どの地域にもEMが届くような体制となっています。したがって、生活圏では多くの人々に活用され、感謝されるようになりましたが、保管されていた大量の水産物の腐敗臭対策やがれきの処理に伴う、アスベストを含む粉じん対策、廃棄物集積所の悪臭対策などは、ボランティアの限度を超えるものです。

役所によって、EMのボランティアの受け入れやEMに対する理解度に落差があり、これまでEMの普及活動が行われている地域は比較的スムーズにEMが活用されています。岩手県の大船渡では、数千トンの水産廃棄物の処理にEMが使われていますが、このノウハウは、EM研究機構を中心に行った宮崎での口蹄疫の埋却処分場の悪臭対策の応用編です。

まず、埋却のための穴を掘り、その底にEMの活性液を10〜20倍にうすめたものを十分に浸み込ませます。その後、水産廃棄物を投入しながらEM活性液を10〜20倍にして散布します。30〜50cmの厚さになると、その上から10〜15cmの土をかけ、同じ要領を繰り返します。この方法で悪臭や地下水汚染、その後の衛生に関する二次汚染は、ほぼ完全に押さえることが可能ですが、臭気が発生した場合はEMの量が足りないということになりますので、臭気が消えるまで、EM活性液の追加注入散布を行います。

今回、大船渡市で行った方法は、岩手コンポストの協力で万全を期してもらいました。岩手コンポストは20年以上も前からEMボカシコンポストをつくっており、そのコンポストは質量ともに世界NO.1のレベルを誇っています。したがって、そのコンポストは良質のボカシと変わらないため、避難所のトイレの悪臭対策にも使われています。この良質のボカシコンポスト(コスモグリーン)を埋却する穴の底部に敷くように入れ、その上に水産廃棄物を投入し、EM活性液を散布し、さらにコスモグリーンをサンドイッチ状に処理するという方法をとりました。

効果はてきめんで、市役所側も漁協もすっかり安心し、今では臭気対策が必要なところは、すべてEMを使うようになっています。岩手コンポストは岩手県全域にEMとEMボカシコンポストが行き渡るように協力しており、また津波の塩害対策への協力も積極的に行っています。そのお陰で岩手県は、ほぼ全域で公的な機関と協力し、EMが活用されるようになっています。これを機会に地域全体の産業振興や、災害時を含めた危機管理に、EMが日常的に使えるシステム的な応用を、希望する市町村にはEM研究機構で支援することになっています。

宮城県でも石巻市、気仙沼市、南三陸町をはじめ、多くの市町村で前述した大船渡と同じ要領でEMは活用されていますが、その活動は被災したEM関係者を中心に進められています。また外部のEMボランティアの受け入れ体制ができたところでは、山形、新潟、秋田のEMインストラクター(2000人あまり)の方々が現地の状況に合わせて協力を行っています。

西日本からも、現場のボランティアとして協力したいという多数のEM関係者の申し出もありますが、現地の受け入れ体制の問題もあり、隣接する東北の方々や各々の県で被災しなかったEMボランティアの方々に限って協力をいただいております。幸いにして被災しなかった地域でも、明日は我が身となることは常に覚悟しておく必要があります。したがって、今回の被災対策情報をもとに、他の地域でも災害に対応できるシステム的なEM普及活動に、これまで以上により強力に、より積極的に取り組むようにお願いいたします。なお、資料についてはDND(http://dndi.jp/19-higa/higa_Top.php)の中の「EM技術による自前でできる危機管理(第30回)」などなどを中心に今回の大震災の対策情報を活用ください。EM研究機構でも公的な活用目的の場合は、一連の資料を提供し、具体的な協力を行うことになっています。

放射能汚染対策

1.内部被曝対策

放射性元素が水や空気、食物から体内に取り込まれた場合、微量ながら体内での被曝が続くことになります。放射性元素セシウム137の人体での半減期は、15歳以下ですと15〜40日、大人ですと60〜90日くらいとなっています。すなわち、ある一定期間で体外に排出されるということですが、食物や生活様式によって、その影響は千変万化です。

結論的なことを言えば、まず「EM生活」を徹底することです。EM栽培の農産物、EM飼育の畜産物、EM養殖生産物を意識しながら入手することが先決です。その次にEM栽培でないものも含め、すべてをEM活性液で洗浄し、加熱する調理にはEM活性液を1〜2%内外を目安に添加します。100℃以上で加熱する場合は、EMやEM活性液を添加しても食品衛生法に問われることはありません。自作のEM活性液に自信のない人は、EM原液の活用をおすすめします。なぜならば光合成細菌は放射能のエネルギーを使い無害化し、乳酸菌や酵母も放射線による免疫低下に効果があるからです。

もちろん、EM・XゴールドやEM蘇生海塩、EM蘇生ミネラルなどなどをはじめ、多くのEM製品の日常的な活用も併用すれば、万全ということになります。現在の放出された放射性物質のレベルであれば、この程度の対策で十分ですが、問題となるのは放射性元素の体外排出を悪化するライフスタイルです。

タバコ、お酒、古くなったレトルト食品、ビタミンやミネラル不足、新鮮な食品から得られる酵素の不足と心身のストレスは、体内に様々なフリーラジカルを発生させます。このフリーラジカルは、体内の代謝機能を低下させるため、放射性元素を排出する力を極端に落としてしまいます。

加えて、レントゲン、CTなどを含めた医療被曝や、電磁波の影響は、そのまま内部被曝のレベルを高めることに直結しています。むやみにレントゲンやCTやPET検査を受けないことです。また携帯電話や電子レンジや家庭の電化製品などにEMセラミックスなどを置いたり、EMセラミックスシールを貼ったりして、内部被曝のレベルを加算しないような工夫も必要であることは、改めて述べるまでもありません。

2.放射能で汚染された環境対策

今回の東京電力福島第一原子力発電所の事故で、かなり広い地域が放射能で汚染されています。汚染のレベルの高い校庭の表土をはいで集めたのはいいですが、その土の処分で立ち往生しています。農地、山林、建物、公共の広場などなどの放射能対策を考えると、従来の方法では気が遠くなるほどお金がかかり、その上、決定的な対策法がなく、時間と共に放射能が減るのを待つばかりということになります。

1998年にチェルノブイリ原発事故の風下で被災国となったベラルーシでの立ち入り禁止地帯で行ったEMの放射能対策の実験では、10aあたり5リットルのEM散布で、半年で15%の放射能が減少していたことが明らかとなっています。この結果を受けて、チェルノブイリの立ち入り禁止地区で行ったウクライナの実験では、EM処理された半年後には、30〜35%も放射能が減少していることも確認されています。この両国は黒土地帯で、土壌の有機物が多く、EMが増えやすい条件を具備しています。

このような条件を考慮した上で、その結果を日本で活用するとなると、EMは活性液で10aあたり50リットル、EMの増強を助ける米ヌカは10aあたり100kg、農地の場合は200〜300kgをメドに散布します。40日内外で効果が明らかとなりますが、計測の結果、十分な成果が得られてない場合は、再度EMのみを同じ量だけ再散布します。光合成細菌は強いエネルギーを積極的に活用する力を持っています。そのため土壌中の放射性物質と選択的に結合する力を持っています。したがって、土壌中でEMが活性化すると放射性物質はEMに捉えられてしまい、作物は放射性物質を吸収しえないようになります。その上、放射性元素のエネルギーを元素転換的に活用していることが推測されるような現象が起こっていますので、半減期が30年といわれる放射性セシウム137も、1年以内に消えています。

塩害を受けた水田や畑地の回復法について

地盤の沈下のため、長期に海水につかってしまった水田や畑地を除けば、EM活性液を10aあたり50〜100リットルくらい使えば、特に大がかりな除塩をする必要はありません。表面にたまったヘドロも、EMで分解し、地力化することも容易です。日本のように雨の多い地域では、土壌の大半はミネラル不足であり、例え1週間程度海水に浸っていた畑や水田も、30〜50mm程度の降雨があれば自然に除塩され、深刻な状況に陥ることはありません。EMを併用すれば、流入したヘドロや塩分は、地力や肥料としての機能を発揮します。例えEMを使わなくても、梅雨が平年通りであれば、除塩は自然に解決します。問題はヘドロや油、化学物質の汚染対策です。

EM活性液を10aあたり50〜100リットル、その後10日に1回米ヌカ(0.2〜0.5%)に糖蜜(0.5%)を添加したEMボカシ液を3〜4回施用すれば、すべて解決することが可能です。もちろんのことながら、臭気が残っている水田や生育不良の場合は施用量を2倍またはEMボカシ液の量を増やすだけで十分です。

農水省は塩害土壌対策として多額の予算を獲得しましたが、この予算は海岸辺りの根本的な対策と、水利管理に常時EMが使えるシステムの構築にあてることが現今の対策に最も効果的であり、将来への危機管理にも絶対的な力を発揮するものであることを考慮すべきです。

水田を砂漠の除塩のような考えで扱うことは、雨の多い日本では無意味であり、梅雨でも十分な除塩が可能であることを心得、獲得した予算は農業の足腰を強くする方向へ向けるべきです。水利の管理にEMをシステム的に活用すると、低コストで水田の浄化が可能となり、同時に化学肥料や農薬の弊害を減らし、生態系を積極的に豊かにし、生物多様性を守り、川や海を浄化し、水産資源を守り、復活し、同時に人々の健康を守るという農業を目指すべきです。

(2011年5月3日)
PROFILE
ひが・てるお/1941年沖縄県生まれ。EMの開発者。琉球大学名誉教授。名桜大学国際EM技術センター所長。アジア・太平洋自然農業ネットワーク会長、(公財)自然農法国際研究開発センター評議員、(公財)日本花の会評議員、NPO法人地球環境・共生ネットワーク理事長、農水省・国土交通省提唱「全国花のまちづくりコンクール」審査委員長(平成3年〜平成28年)。著書に「新・地球を救う大変革」「地球を救う大変革①②③」「甦る未来」(サンマーク出版)、「EM医学革命」「新世紀EM環境革命」(綜合ユニコム)、「微生物の農業利用と環境保全」(農文協)など。


 

避難所となっている石巻市立湊小学校

校舎周辺をEMで洗浄

自衛隊の入浴支援所(石巻市)で排水の悪臭対策にEMを活用

点滴式でEMを投入

兵庫から届けられた4トンのEMボカシ



かき出したヘドロにEM処理(東松島市立赤井南小学校)

床下のヘドロを除去してEMを散布

腐敗臭を放つ海産物にも散布

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