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福島県におけるEMによる放射能汚染対策

本誌やDNDでもすでに述べたように、福島におけるEMによる放射能汚染対策は着々と進められています。去る6月15日に、除染の成果が上がっている郡山市のエムポリアム幼稚園と警戒区域に指定されている田村市の都路町(原発から19km)のコスモファームと、帰村を開始した川内村での状況を確認させてもらいました。

続いて翌16日には、郡山市にある福島県農業総合センターの多目的ホールで、午前中はそれらの成果の情報交換を中心に、その他の数例の事例を含め、第2回のEM技術懇談会、午後には私の総括講演を行うことができました。

チェルノブイリ原発事故の被災国となったベラルーシやウクライナのEM活用の成果は、年間15〜35%でしたので、福島では、その散布量を増やし、可能な限り早めに効果が上がるように指導指針を決めています。基本的には1uあたり1リットルのEM活性液の散布を目安にしていますが、効果が十分でない場合は、さらに繰り返して散布するというものです。10〜100倍にし、くまなくEMが浸透するように散布しますが、降雨の後、土壌に十分に水分がある場合は、原液を散布した方が楽で効果的です。

EMは放射線量を減らすだけでなく、それにともなって発生する活性酸素(フリーラジカル)を消去する力を持っています。低線量被曝が問題になるのは、環境中に絶え間なく発生する活性酸素によって、人体の免疫力が低下するためです。この活性酸素は放射線の害をかさ上げするため、例え放射線量が安全基準値以下であっても、様々な被害を引き起こしてしまいます。

低線量被曝の害は、人体だけではなく、建築物をはじめ、その地に存在するさまざまなものを酸化崩壊させるやっかいな存在であることも知っておく必要があります。住宅の寿命や機能性は半減し、自動車はもとより、各種のプラスチックや金属製品の劣化が早く、種々の機能性が失われてしまいます。

EMを散布し、期待通りに放射能が減らなかったとしても、EMは確実に活性酸素を消し、環境や機材や建物の劣化を防止します。散布回数が多ければ多いほど、その効果は累積し、シントロピー(蘇生)現象が現れてきます。今回の懇談会で出された情報は、30〜50%程度の放射線が減少しており、顕著な効果が確認されましたが、中にはゼロにならないために疑問を持つ人もいます。

考えてみると、放射性セシウムは半減期が30年で、汚染量が半分に減るのに30年かかるという原子物理学の常識があります。EMを徹底して散布した場合は年間50%以上、すでに述べたような方法でも30%以上も減っていて、そのこと自体、信じられないことです。その上、EMは放射能が誘発する活性酸素の害を完全に抑えることができますし、農地や環境や居住空間を積極的にイヤシロチ(すべてのものを健全にする)に変えることができるからです。

「災い転じて福となす」ではありませんが、EMを1回でも多く散布することは、すべてのものをより蘇生化することであって、新たな負担を強いるものではありません。EMを日常的に空気や水のごとく使うといっても、その意義を十分に理解し、EM生活に徹するためには、それなりのレベルの高い覚悟が必要です。福島に限らず、関東東北の放射能ホットスポットや低線量被曝地帯は、好むと好まざるにかかわらず、この現実に向かい合わねばなりません。

幸か不幸か、このハンディキャップを、常にEMを使うレベルの高いEM生活にシフトする必然性として捉えられると、EMの散布は楽しいものとなります。その積み重ねが、まわりのものも蘇生化し、より楽しく、より意義の高い人生を選択し、構築できるチャンスとすることも可能となります。

エムポリアム幼稚園では、すべての場にEMが徹底して活用できるシステムをとっており、その成果は、保護者の家庭にも波及しています。すなわち、EMを大量につくるシステムと電動モーターで、EMが手軽に、どこでも散布できるようになっており、保護者を含め、EMの情報交換が常に行われています。集団生活におけるEMの余得も十分に現れており、新入園児も定員割れがないというおまけも付いています。エムポリアム幼稚園の成果は、多くのホットスポット地帯の学校や幼稚園でも活用されていますが、特筆すべきは、この広がりが幼稚園関係者のみならず、地域の人々にも波及し始めていることであり、この輪がボランティアでシステム的に広がっていることです。

田村市都路町のコスモファームは、原発から19km、放射線量も高く、警戒区域に指定されています。この地域には、4人の人たちがとどまっており、EMで本格的な除染を行い、種々の作物を栽培しています。代表の今泉さんは20年ほど前からEMを使っているとの話でしたが、事故当初は、一旦避難したとのことです。その後、大熊町(10km)のEM農家の堆肥の放射線量が低かった事実を確認し、さまざまなEM情報を得た結果、再び警戒地域にある自宅に戻ったとのことです。

コスモファームのEM活用は、本格的なもので、シメジの培養工場をEM活性液工場に転換し、週に30トンの活性液をつくり、田畑、住宅、谷あいの山林の両側100mにEM活性液を消防用のポンプで散布しています。放射線量は当初の50%内外も下がり、その効果に確信を持っています。このようなコスモファームの挑戦は今後、規模の大きな地域の放射線対策のモデルともなるものです。

コスモファームの次に、全村帰村が決まった川内村の堀本農園を訪ねました。川内村は放射能汚染レベルは300~400ベクレル以下の地域も多く、1000ベクレルを超える場所は限られています。堀本さんはかなり以前からEMを使っていましたので、その水田は200ベクレル内外となっており、かなり低い数値となっています。堀本さんはEM活性液を大量につくり、まわりの農家の人々にも配布し、それなりの成果を上げています。川内村の放射線量であれば、現在、政府が進めているゼオライトとケイ酸カリの施用にEMを活用すれば、放射性セシウムをゼロにすることも可能となります。ゼオライトは土壌改良効果も高く、EMとの相性もよいため、ある意味では望ましい組み合わせとなります。

問題は風評被害対策です。この件については本誌でもたびたび紹介されたEM発酵堆肥とEMを徹底して活用し、放射性セシウムがまったく検出されないマクタアメニティの実績に準ずれば解決できることです。堀本さんは過去のEM活用の経験を生かし、マクタアメニティの情報を活用しつつ、川内村の農業の革新的な発展のモデルづくりにチャレンジしています。

16日の懇談会では、この3件のほかにEMとじょうろの会(いわき市)、馬場EM研究会(南相馬市)の発表と、マクタアメニティの幕田さんから、これまでの成果と本誌の速報となったEM発酵堆肥の効果について、福島県の公式発表のいきさつを説明してもらいました。

午後の講演会は、200人あまりで会場が満杯となりました。EMの放射性セシウムの吸収抑制効果を福島県が公式に認めた後の、初めての講演会でしたので、地元の新聞やテレビも好意的に報道してくれました。

このように次々と上がってくるEM情報を、福島県のより多くの人々に知ってもらうために、FM福島で週に1回「うつくしま、EMパラダイス」という番組を、お昼過ぎに放送することになりました。このことによって福島におけるEM活用はさらに加速するものと期待しています。

(2012年7月4日)
PROFILE
ひが・てるお/1941年沖縄県生まれ。EMの開発者。琉球大学名誉教授。名桜大学国際EM技術センター所長。アジア・太平洋自然農業ネットワーク会長、(公財)自然農法国際研究開発センター評議員、(公財)日本花の会評議員、NPO法人地球環境・共生ネットワーク理事長、農水省・国土交通省提唱「全国花のまちづくりコンクール」審査委員長(平成3年〜平成28年)。著書に「新・地球を救う大変革」「地球を救う大変革①②③」「甦る未来」(サンマーク出版)、「EM医学革命」「新世紀EM環境革命」(綜合ユニコム)、「微生物の農業利用と環境保全」(農文協)など。


 

 

 

 

 

 

 

 

EM活性液の散布

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

エムポリアム幼稚園に設置された活性液散布装置

 

 

 

コスモファームのEM活性液工場

 

 

 

毎週土曜日に活性液を配布するEMとじょうろの会の皆さん

 

馬場EM研究会の皆さん グラウンドにEM活性液を散布

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