EM柴田農園の50から畑人 | 柴田和明・知子

Part.2 第12回 EM栽培と有機JAS認証の理想の農家さん「那須高原農場スノ・ハウス」

農業にはライバルはなく、すべて良き仲間!

農業は、1年間農作業をすれば1年間分の知識と経験を得る事ができます。さらに仲間数人と連携をとり情報交換をすれば1年間で2年や3年もの知識や経験を得られると言われています。良き仲間との出会いは一生の財産ともいえるでしょう。

また農業は「脳業」と言われているように体を動かすだけでなく「脳」を動かし、知識とアイデアなどを最大限活用する事が上達のひとつだと言われています。

私にも多くの農業関係の仲間がいますが、その中でも化学肥料や農薬を使わず環境にやさしい農業をやりたいと同じ志をもった信頼できる先輩がお隣の那須町にいます。その先輩が運営している「那須高原農場スノ・ハウス」には時々おじゃまをしますが、一切の手抜きはなくきめ細かな仕事はとても参考になります。では「那須高原農場スノ・ハウス」について、この連載で数回に分けて詳しく紹介していきましょう。

<那須高原農場スノ・ハウス>

「那須高原農場スノ・ハウス」が有機JAS農家になるまでの長い道のり

「那須高原農場スノ・ハウス」を立ち上げた日比野さんご夫婦は1996年に神奈川県から栃木県に愛犬と共に移住されました。当初はペットホテルや盲導犬の繁殖ボランティアなどをしており、その間に食品衛生管理者の資格を取り「食」に関心を持つようになりました。自然豊かな地域で、ご近所から野菜の差し入れも多く、キャベツやダイコンなど、大きく見た目が綺麗な野菜に感激しましたが、その陰に農薬があることを知り愕然としたそうです。

そして、食の安全のためにご自身での野菜づくりに目覚め2000年に現在の那須町に農地を確保しました。そこから日比野さんの無農薬野菜へのチャレンジが始まりました。試行錯誤を繰り返し、2006年から農林水産省の有機JAS法の認証を受けるために、ほ場(有機野菜栽培)の準備を始め、2009年10月に晴れてJAS認証ほ場となり、有機JASマークを付ける事ができる「オーガニック」野菜の本格的な生産販売を始めました。このように有機JASの認証を受け、オーガニック野菜の販売ができるまでには時間と知識と多くの労力が必要なのです。

さらに2010年には地域農業の担い手などを認定する「認定農業者制度」を活用して、認定農業者となりました。つまり市町村に認定された農家となったわけです。別荘地として有名な那須町は首都圏からの移住者も多く、地域と協力して循環型の有機栽培を広める中心的な存在となりました。

日比野 樹さん、玲子さんご夫妻


2023年現在、那須高原農場スノ・ハウスは世代交代の最中で、第三者継承の形で一代目の日比野さんご夫婦から二代目の館野さんご夫婦が農場を引き継がれています。

館野輝光さん、まゆみさんご夫妻

館野輝光さんは慣行農法を5年間学んだ後、体と自然に優しい有機農法に興味を持ち那須町に移住して「那須高原農場スノ・ハウス」で学びました。まゆみさんは栃木県南部にあるイチゴ農家さんでイチゴ栽培を経験した後に同じく「那須高原農場スノ・ハウス」でご主人の輝光さんとお二人で現在事業を継承しています。

有機栽培で最も重要なことは

化学肥料や農薬を使わない栽培は土づくりがとても重要です。那須高原農場スノ・ハウスでは、有機JAS法で使用可能な資材のみで循環型農業を行うために基本となる堆肥をつくり、これまでの経験から栽培する野菜により配合を変えているようです。詳しくは次回以降でお伝えします。ほ場では常にEM活性液を全面散布し、微生物の密度を高め、さらに微生物のエサと住みかを増やすことを心がけています。

土づくりに欠かせないEM活性液。那須高原農場スノ・ハウスでは専用のEM培養装置「百倍利器」が設置されています。常に良質なEM活性液をつくり続ける秘訣は年間休まず稼働させることです

年間を通し切れ目なく栽培する難しさとは

私のところ(EM柴田農園)でも自家消費用として春にレタスを栽培しています。ところが春から初夏に近づき気温が上がってくると、あっという間にとう立ちしてしまい食べられなくなってしまいます。レタスはキク科なので、そのままにしておくと菊のような花が咲くんでしょうね。私のところでは、レタスは年間を通してどころか春先の一時期しかつくることができません。

一方「那須高原農場スノ・ハウス」では那須高原の涼しい気候を生かして年間切れ目なくレタスを栽培しています。サラダには欠かせないレタスは年間を通して需要があるので、多くのレストランと契約を結んでいます。さらに現在は那須町のふるさと納税返礼品として指定されているそうです。

那須高原農場スノ・ハウスでは数種類のレタス以外にも様々な野菜をつくっています

次回は「那須高原農場スノ・ハウス」が年間を通してレタスを栽培する秘訣など、その栽培方法を具体的にお伝えしたいと思います。


◆ 那須高原農場スノ・ハウスについて
http://suno-house.com
<お野菜の注文やお問い合わせ>
E-mail:sunohouse.tateno@gmail.com




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<PROFILE>

柴田和明(しばたかずあき) 会社退職後、約2年間栃木県農業大学校で農業を学び、その後トマト農家で1年間研修を受け就農。 柴田知子(しばたともこ) 会社退職後、東京農業大学(世田谷区)オープンキャンパスのカレッジ講座で野菜や果樹の育て方、スローフード、発酵などの講座を受講。EM柴田農園では、種まきから仮植、種取りなどの細やかな作業を担当。